投稿日 : 2023.07.21
初挑戦!「スポる!高知」取材班が感じた奥四万十トレイルレースの魅力とは
今回、マラソン大好きな「スポる!高知」取材班は、高知市から西へ車で約70分、日本最後の清流「四万十川」の源流、日野地川が流れる四万十町にやってきました。
四万十町の豊かな森林や山々が広がる大自然を生かして開催される「奥四万十トレイルレース in 松葉川」に、初めて挑戦して感じた魅力をお伝えします。
目次
奥四万十トレイルレース大会概要
奥四万十トレイルレースは、今大会で 8 回目の開催となります。
種目は、ロングの部(36km)、ショートの部(24km)、キッズの部(2.6km)、親子ペアの部(2.6km)の 4 種目。ショートの部は、初心者の方でも気軽に参加してもらいやすくするため、今年から新設された部門になります。
マラソン大会には何度か出場経験がある取材班ですが、トレイルレースは未経験。 悩みに悩んだ末、思い切ってロングの部にチャレンジすることを決意しました。
トレイルレースで準備するもの
通常のマラソン大会(ロードレース)とトレイルレースへの参加では、準備物に大きな違いがあります。
マラソン大会の出場には、基本的に準備品の条件はありません。サンダルで走る人もいれば、仮装して走る人など、参加者それぞれがとにかくゴールを目指すことができればOKなんです。
一方、トレイルレースの参加には、一般的に次のような必須アイテムが設けられています。
- 両肩で担ぐザック・バックパック
- 水分(500ml以上)
- 行動食(スタート時のみ)
- フード付きレインジャケット
- コースマップ
- ファーストエイドキット(絆創膏、テーピングなど)
- 携帯電話
- 本人の健康保険証
- エマージェンシーブランケット(防風・防寒用・防水のシート)
- ホイッスル
- マイカップ(100cc以上)
- ココヘリ端末(居場所を示すもの)
ブランケット、ホイッスル、携帯電話、ココヘリ端末と、マラソン大会との違い驚きましたが、山の中を走るということは、それだけ危険が伴うこと。
十分な備えが必要だということですね。
初めての方にとっては、すべてを揃えるのは、少し大変かもしれませんが、 9 ~ 12 は、エントリーの際に購入できますので、ご安心ください。
大会主催者のコメント
今回、大会主催者であるNPO法人くぼかわスポーツクラブの佐々木さんに大会について色々とお聞きしました。
– 今大会の開催への思いを聞かせてください。
佐々木さん:昨年は、コロナの影響もあり、参加者が少なかったですが、今年は全国各地から約530名の方からの申し込みがあったことが嬉しい限りですね。
-奥四万十トレイルレースの魅力を教えてください。
佐々木さん:雄大な山や急な峠など起伏に飛んだコースで難易度も魅力のひとつですが、高知ならではの沈下橋や四万十川など、高知の自然を満喫できるコースになっています。また、地域ボランティアや地元の女性会「米奥(よねおく)なごみ会」の方々のおもてなしも魅力ですので、存分に楽しんでいただきたいです。
-初挑戦の取材班にアドバイスをお願いします。
佐々木さん:早い選手に引っ張られずに、自分のペースで走ることですね。後半がかなりきつくなりますからね、前半は抑えて、抑えて。
アドバイスを受けて、取材班、準備万端です。
午前8時ロングの部スタート
期待と不安な気持ちのまま、いよいよ松葉川温泉前からスタートです。
開始早々、山道へ突入。
前日の雨の影響でできた水たまりやぬかるみを避けつつ、佐々木さんの言葉「抑えて、抑えて」を常に意識しながら、ゴールを目指しました。
トレイルレースは、ロードとは違い、ルートがわかりづらいため、コースアウトするケースも少なくないそうです。
コースアウトによる失格を防ぐためには、佐々木さんをはじめとした運営の方々が設置してくれているこの目印を常に意識しながら、走ることが大切になってきます。
前の人だけを信じて走って、一緒にコースアウトしたケースもあるそうなので、ご注意ください。
途中、道幅が狭くなるところや川を横断する箇所があるため、錬歩会のようにみんなで歩く場面もありました。
さらには、横たわる大木を飛び越える場面、ロープをつたって急斜面を渡る場面など、さまざまな地形を走ることは、大自然の中でアドベンチャーを体験しているような感覚でした。
さらにさらに、道なき道や「あえてそのルート!?」と、思わず声が出てしまったほどの超急斜面。
とにかく、常にアップダウンの繰り返し。(※ロードも5~6kmあります)
ロードとは違い、走っても走っても、距離が伸びず、36kmのゴールが果てしなく遠い感覚に襲われることが何度もありました。このまま果たしてゴールができるのか。
今回の目標は、何が何でも「制限時間( 8 時間)内に完走すること」。
思うように動かなくなっていく体、踏ん張りが効かない足をなんとか前へと進め、なんとかスタート会場と同じ松葉川温泉へゴールすることができました。
気になる取材班のフィニッシュタイムは、なんとなんと7時間42分30秒。制限時間ほぼギリギリの中でのゴールでした。
これだけ長時間体を動かし続けたのは人生初です。
消費カロリーは、驚異の3,785カロリー。
一日の成人男性の摂取カロリーは、約2,200カロリー(農林水産省発表)ですから、相当な消費だったことがわかりますね。
翌日以降は、全身筋肉痛に襲われ、トレイルレースの厳しさを痛感しました。
結果として、想像以上の苦しさはありましたが、、、、
しか~し!!
今回はそれ以上に、新感覚の体験や感動、魅力を感じることができましたので、皆さんにご紹介します。
魅力ポイントその1:自然の豊かさと癒し
この日は、最高気温31℃、湿度80%とかなり蒸し暑いなかでの大会でしたが、山の木陰では、風が涼しく、体感温度が下がり、心地よさを感じました。
また、時折、木の間から見せる景色や高知の田舎ならではの田園風景に心癒やされました。
そして、四万十川の代名詞と言えば、沈下橋。山や川と調和した沈下橋の美しい風景は、絶景スポットです。
今回のコースには、清水ヶ瀬沈下橋と一斗俵沈下橋の 2 カ所の沈下橋を渡りますが、2 カ所目の一斗俵沈下橋は、なんとそのまま四万十川へダイブすることができるんです。
燃えたぎっている体をクールダウンするのにおすすめです。
ダイブするのは怖いという方は、ラスト 2 km付近の河原で自然を生かしたアイシングも最高ですよ。
魅力ポイントその2:参加者との交流
トレイルレースは、ロードに比べて、ゆっくりのペースで走ったり、歩く場面が多いため、会話をすることがあまり負担には感じません。
そのため、前後のランナーの方と会話をする機会が多くあり、初対面であっても、共通の趣味を持ったもの同士、同じゴールを目指しているもの同士、すぐに意気投合できます。
他のランナーとの交流や苦しいときの励ましは、取材班のモチベーションのアップはもちろん、ここでしか味わえない体験を共有できたこと、そして、ランナー仲間ができたことでコミュニティが広がったこと、とっても有意義な時間となりました。
魅力ポイントその3:あたたかいおもてなし
マラソン大会は、運営スタッフをはじめ、地域住民、地域団体、ボランティアなどの皆さんのおかげで開催されています。
そして、ランナーにとって、一番パワーとなるのは、そんな皆さんからの支援や声援、エイドステーションでのおもてなしです。
参加者と一緒に伴走しながら、声かけはもちろん、体調不良の方がいれば、真っ先に駆けつけるなど、サポートをしてくれたスタッフランナーの方々。
山中の道に迷いそうな場所や分岐点などにおいて、参加者の足音が近づいてくると、鳴子を鳴らしたり、拍手や声援で導いてくれた役場の職員やボランティアの方々。 声をかけてみると、スタートよりも 2 時間早い朝の 6 時から山に登って待機しているとのこと。頭があがりませんm(_ _)m
暑いなか、長時間に渡って、大きな拍手や声援を送ってくれた地域住民の方々。
前日含め、当日の朝 6 時からエイドステーションの準備をし、疲れたランナーを笑顔で迎え、おもてなしをしてくれた役場職員や地元女性会「米奥(よねおく)なごみ会」の方々。
なごみ会の皆さんは、疲れた表情も見せずに「大変ですけど、みんなが笑顔になってくれたら、私達も元気や若さをもらいます」と笑顔で語ってくれました。
エイドステーションでは、芋けんぴやそうめん、塩漬け胡瓜、梅干し、みそ汁にスイカなどランナーの体に染みるものばかりで、パワーがみなぎりましたね。
何より感動したのは、塩むすび。
空腹と汗で塩分が抜けた体には、人生で最高のおむすびに出会った気分でした。
最後に
取材班の体はボロボロでしたが、一緒に走ってくれたランナーさんや支えてくれた地域住民、地域団体、ボランティア、役場の皆さんのおかげで心が満たされ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
奥四万十トレイルレースは、自然愛好家やランニング愛好家にとって、本当に魅力的なイベントです。美しい景色やチャレンジング、そして、地元の人々との交流など、貴重な体験ができます。ぜひ、次回開催の際には、参加してみてください。
そして、大会後は、会場となった松葉川温泉でしっかりと疲れを癒してお帰りください。
奥四万十トレイルレース公式サイト:http://okushimanto-trailrace.com/
施設情報
松葉川温泉
住所/高知県高岡郡四万十町日野地605-1
電話番号/0880-23-0611
HP/https://www.matsubakawa.jp/
日帰り温泉:10:30~20:00(受付時間19:30まで) 料金:大人700円、子ども350円、未就学児無料(四万十町在住割引あり)