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【移住者インタビュー西部編】 小堀健太郎さん 「旅を経て流れ着いた土佐清水市。ここで見つけた新たな夢」

【移住者インタビュー西部編】 小堀健太郎さん 「旅を経て流れ着いた土佐清水市。ここで見つけた新たな夢」

マリンスポーツ

オーストラリア、ニュージーランド、インドネシア、アメリカと、20~30代にかけて世界を旅して回った小堀健太郎さん。サーファーでもある彼が理想の波を求め5年ほど前に辿り着いたのが、四国最南端に位置する高知県土佐清水市です。この地に留まったことで新たな夢が見えてきたという小堀さん。移住のきっかけや土佐清水市の魅力について伺いました。

国内外を旅し、自問自答を繰り返した20~30代

小堀さんは福島県いわき市出身。少年時代は用水路でザリガニを獲ったり、夏は海で遊ん だりする元気な子どもだったそう。高校3年生の時にはサーフィンを始め、神奈川県内の 大学に進学後もサーフィンを続けていました。 

大学卒業後は地元に帰郷し、就職。レストランやサーフショップで働きましたが、「旅をしたい。他の世界を見たい」という憧れをずっと抱き続けていたといいます。

そんな小堀さんに転機が訪れます。サーフィン仲間のオーストラリア人が帰国することになり、「一緒に行こう」と誘ってくれたのです。小堀さんは仕事を辞め、ワーキングホリデーのビザを取得し友人とオーストラリアへ。現地ではさまざまな職を経験しながら、友人が一から教えてくれたというキャンプや登山を始め、大陸を横断するバックパックの旅も経験しました。

2年ほどオーストラリアで過ごした小堀さん。その頃、東日本を大震災が襲い、地元では福島第一原発の事故が発生します。小堀さんは「地元で何が起きているのか知りたい」と一旦帰郷し、ボランティアや仮設住宅の設営に携わりました。 

その後、再び旅に出た小堀さんは、ニュージーランド、インドネシア、アメリカ、ハワイ、カンボジアなどを巡ります。また国内でも四国を一周したり富山県で働いたり、ワールドワイドな“旅人”暮らしを送っていました。 

当時を振り返って小堀さんはいいます。「サーフィンを楽しみたいから旅していた、波を求めて移動していた、そんな感じでした。それに、旅することそのものがやりたいことだったんです。でも実際は、自分自身が何をしたいのか迷っていたんだと思います」。

理想の波と温かい人に出会った土佐清水市

大震災を機に、旅をしながら自問自答を繰り返していた小堀さん。彼が今から5年前、「大きな波に乗りたい」と流れ着いた地が、高知県の最南端、高知市中心部からは車で3時間ほどもかかる土佐清水市でした。

「ここの波には夢があるんです。乗りたい波がある、それがここに来た大きな理由です」。 小堀さんと同じくサーフィンを趣味とする妻も一緒に移住し、この地で娘にも恵まれました。現在小堀さんはマリンショップでインストラクターとして働き、夏季以外は林業に従事しています。 

実は20代で旅に出てから、小堀さんが1年以上同じ場所に定住したのは土佐清水市が初めてだったとか。 

「田舎って、住んでいくうちにどんどん人と人がつながるんです。マリンショップの先輩や林業の親方はもちろん、近所の柚子農家の親方や集落のおっちゃん、漁師のおっちゃ ん、みんなにお世話になっています。大きな“波”に惹かれてこの地に来たけど、“人”の力も住み続けている大きな理由ですね」。

また世界中の美しい山や海を見てきた小堀さんは、「土佐清水市のこの桜浜の美しさは世界に誇れるものだと思う」と話します。「夕日もめちゃくちゃきれいだし、住めば住むほど景色は美しいし、水もいい。それに珊瑚礁も好きです。」

「住んでいたら、波以外のものもどんどん好きになりました。家族も増え、これからも娘の地元であるこの地に長く住みたいと思っています。流れ着いたのは偶然だったけれど、必然だったんじゃないかな。縁があったんだろうと思います」。

家族とともに、この地で生きていく

マリンショップに勤める小堀さんは、先輩とともに、ジェットスキーを用いた水難救助の訓練も行っています。大きな波で安全にサーフィンを楽しむためには、ジェットスキーによるレスキューが欠かせないそう。小堀さんは、「技術をしっかり身に付けてプロフェッ ショナルになりたい。人を助けるって並大抵のことではない。だからこそ技術を身につければ自分の自信にもなる。環境を整備して、地元の子どもたちにもサーフィンを楽しんでもらいたい」と話します。 

また林業のほうも、これから力を入れていきたいそう。それに加え、小堀さんにはもう一つ夢があります。

それは、手に入れた直径1メートルほどの大木でアウトリガーカヌーを作ること。「桜浜にいつか浮かべたいですね。娘が大きくなったら乗せて一緒に遊びたいです」。 人生に迷っていた20~30代は、旅することが目的の一つだった小堀さん。でも土佐清水市で暮らすようになった今、やりたいことがどんどん見えてきているようです。「やりたいことを素直にやっています。今の仕事、めちゃくちゃ好きですね」。

世界中を旅し視野を広げてきた小堀さんは今、この地で家族とともに新しい夢に向かっています。

施設情報

マリンクラブジョイ

住所/高知県土佐清水市竜串23番地8号
電話番号/0880-85-0137(海のギャラリーと兼用)
HP/https://marine-joy.com/