高知県はスポーツ合宿推進県!台湾高校生バレー部の合宿に密着
高知県は毎年、数多くのアマチュアスポーツ団体の合宿を受け入れています。その実績は国内外にわたり、サッカー、野球、カヌーと多岐にわたります。そこで今回は、台湾高校生バレーボール部の高知合宿の様子と、高知県が取り組むスポーツ団体支援事業について紹介します。
目次
アマチュアスポーツ合宿の実績
スポーツ振興や、スポーツを通じた国際交流に力を入れている高知県は、毎年数多くのアマチュアスポーツ団体を支援し、合宿を受け入れています。
2022年度に高知県が合宿支援を行った県外団体は99チーム。北は北海道、南は長崎県、さらに海外も2団体と、国内外にわたっています。
県内にはスポーツ施設が多く整備されており、競技もさまざまです。サッカーをはじめ、野球、陸上、ソフトボール、さらにカヌーや水泳・水球といった水上スポーツも。良質な食事・宿泊環境も整う高知県で、各団体が充実した合宿を行っています。
台湾の高校生バレー部が高知で合宿
2024年9月14日〜18日、台湾の新北市立明徳高級中学校の男子高校生バレーボール部が、高知県で合宿を行いました。新北市立明徳高級中学校は、台湾高校バレーボールの強豪校として知られています。
選手や監督たちは、定期チャーター便を利用して高知龍馬空港に到着。空港では、高知工科大学の学生をはじめとする関係者が一行を出迎えました。
なお2024年10月現在、高知と台湾間を結ぶ定期チャーター便は週2日(水、土)運航しています。
到着後、高知工科大学の永国寺キャンパスに移動した部員の皆さん。今回の高知合宿のメインイベントである交流試合が行われました。
1日目の交流試合には、明徳高中と高知県の中学校選抜チームが参加。
2日目、3日目は参加チームによる合同練習のあと交流試合が行われました。明徳高中、高知工科大学、高知高校の他、香川県高松工芸高校、鳥取県鳥取中央育英高校の皆さんが参加。
各チームがそれぞれの地域を代表しており負けられない戦いです。大会さながらの白熱した試合が行われました。
2日目の夜には、全チームによる交流会が開かれました。
食事の後は各校による出し物が行われ打ち解けた生徒たち。明徳高中の生徒とは翻訳アプリを使って会話をし、お互いにLINEを交換したり言葉の壁を超えた交流ができました。
4日目は自由行動。各自高知の街を観光したり、スポーツ用品ショップ訪れて日本製品を購入したりしました。
監督、部員、コーディネーターにインタビュー
今回の高知合宿について、明徳高中のチン監督に話を伺いました。監督は台湾ナショナルチームの元代表。明徳高中のバレーボール部を強豪校に育て上げた立役者です。
ー今回の高知合宿。何がきっかけだったのでしょうか。
「子どもたちに外の世界を見せたいと思い、日本での合宿を考えました。高知と縁のあるコーディネーターに相談したところ、今回の合宿が実現しました」。
ー合宿を通して部員たちに学んでほしかった点は何ですか。
「1つは日本のバレーボールの技術です。アジアの中でも日本はトップレベル。戦術などをぜひ学んでほしいと思いました。2つ目は礼儀ですね。日本の生徒たちはあいさつをしっかりするし、体育館の整備や掃除などもきちんとする。その姿勢が素晴らしいと思っていて、生徒たちに体験してもらいたいと思いました」。
ー実際に日本の学生チームと交流試合を行い、どんなことを感じましたか。
「礼儀の点が本当に素晴らしかったです。それから最後まで諦めない姿勢ですね。自分たちの生徒は、点差が開いてしまうとどうしても力を抜いてしまうんです。今回間近で体験した日本の学生たちの姿勢を、生徒たちが学んでくれたらうれしいです」。
続いては、生徒を代表して高校3年生のトウ君とユウ君にインタビュー。
ー合宿で印象に残ったのはどんなことですか。
トウ君「交流試合が印象に残っています。強くて、練習をもっと頑張ろうという気持ちになりました。あとは姿勢の面ですね。台湾を代表しているという気持ち、恥ずかしくない姿勢で取り組まなければいけないと感じました」。
ユウ君「僕も交流試合で得るものがたくさんありました。日本のバレーボールは、戦術とかアプローチとかいろいろ違うところが多い。すごく勉強になりました」。
ー自由時間は楽しめましたか?
トウ君「ご飯が美味しかったです!ホテルの朝ご飯がすごく良かったし、お土産屋さんでは鯨も食べたんですよ(笑)」。
ユウ君「高知のゆずジュースも美味しかったです。父親にゆず酒をお土産に買いました」。
ー台北から高知はチャーター便ですぐ。初めてのフライトはいかがでしたか。
トウ君「近くてすごく便利ですね。来年、個人旅行で日本に来たいと思っているんです。その時のスタートはもちろん高知で! 交流会で友達になった人が千葉県の大学に進学するそうなので、高知経由で会いに行きたいと思っています」。
バレーボールを通して、国際交流が実現した今回の合宿。明徳高中の皆さんにとっても、日本の学生たちにとっても、有意義な時間になったようです。
最後にコーディネーターのチャオ スンウェイさんにも話を伺いました。
ー野球少年だったチャオさん。高校生の時、高知県に野球留学したと伺いました。
「小学4年から野球をしていて、日本と交流試合もよくしていました。日本の野球は台湾と全然違って、チャンスがあれば日本に来たいと子どもの頃から考えていました。その後、縁あって高知中央高校で学ぶことができました」。
ー現在は台湾から日本へのスポーツ留学の支援を行っています。
「自分は野球留学ができて、日本の大学にも進むことができました。でも日本に来たくても来れない子どももいるし、来ても支援はなかなかない。だから、自分がそうした人たちをサポートしたいと思い、活動しています。海外で体験し学ぶことはすごく意義があること。これまで8年間で47人の留学生を支援してきました」。
ー選手たちのセカンドキャリアサポートにも力を入れているそうですね。
「留学だけでなく、留学生のその後のセカンドキャリアもサポートしています。セカンドキャリアを考える際には、知識と経験が大事になってきます。早いうちからいろいろな人と出会い、交流し、学びを得る必要がある。知識と経験があれば、アスリートとしてプロにはなれなくても、さまざまな活躍の場があります。実際、留学生の多くが“台湾と日本の架け橋になりたい”と話してくれています」。
ー今回の合宿も、交流を意識して取り組まれたのでしょうか。
「はい、試合ももちろん大切ですが、大事なのは交流だと思っています。体験することで、生徒たちも学ぶものがあったのではないでしょうか。高知県は自分にとって日本のふるさと。大好きだし、高知県に恩返ししたいと思っています。今後も継続的に台湾チームの合宿を推進していきたいし、日本のチームも台湾に来てもらいたいですね」。
スポーツ合宿支援事業の案内
最後に、高知県のスポーツ合宿支援事業について紹介します。
高知県は、県外のスポーツ団体が県内でスポーツ合宿を実施する際、宿泊費等を助成しています。助成対象は、学校公認のスポーツ団体(部活動、クラブ、サークル等)または公的なスポーツ組織に加盟しているスポーツ団体で、高知県内の宿泊施設に延べ20泊以上すること等になっています。詳しくは下記HPをご覧ください。
■高知県観光コンベンション協会
https://kochi-tabi.jp/corp/sports/support2024.html
高知県には、各種競技に対応した、さまざまなスポーツ施設があります。ぜひ合宿でご活用ください。スポーツ施設情報はこちらからご覧いただけます。
■高知県スポーツ情報総合サイト
https://sports-navi.pref.kochi.lg.jp/