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目から鱗の講義に1km3分の走り!トーエネックによるランニングセミナー開催

目から鱗の講義に1km3分の走り!トーエネックによるランニングセミナー開催

フィールドスポーツ

高知龍馬マラソン2025の関連イベントとして、12月15日(日)第6回ランニングセミナーを高知県立春野総合運動公園 補助競技場で開催しました。講師には、日本のトップレベルで活躍されているトーエネック陸上競技部から松浦 忠明監督と河合 代二選手、中西 亮貴選手、小山 裕太選手をお迎えし、約100名の参加者が学びと実践を通してランニングを体験しました。高知龍馬マラソン参加者をはじめ、全国のランナーさん必見の松浦監督の講義を中心にセミナーの様子をご紹介します。

松浦監督の講義(継続するための秘訣)

セミナーは松浦監督(プロフィールは記事の最後)による講義からスタートしました。参加者は4時間~完走を目指す初心者ランナーが多く参加いただいていたこともあり、講義は「いかに走ることが苦にならずに、継続していけるか」というポイントで丁寧にご説明をされました。

経験豊富な松浦監督の話に、参加者は真剣に耳を傾けて、初めて知ることに驚きを見せている様子が印象的でした。がむしゃらに走らないといけないという固定概念にとらわれている方も多くいるのではないでしょうか。

以下の松浦監督の講義の内容を参考に、気楽にランニングを楽しみましょう。

無理せずに運動量を確保すること

マラソンのトレーニングとして、走ること以外の運動も取り入れるべきです。例えば、水泳やテニスなど他の運動を通じて、1日の中でどれだけ体を動かすかが重要です。運動量を確保するためには、必ずしも走る必要はありません。多様な運動を取り入れることで、マラソンのトレーニング効果を高めることができます。

アクティブレスト

休みの日でも完全に休むのではなく、軽い運動などで体を動かす「アクティブレスト」を推奨します。
選手によっては、完全に休むことが必要な場合もあるため、自分の体調やスタイルに応じて柔軟に対応することが大切です。

バランスの重要性

右と左のバランスが均等であること、上半身と下半身の連動ができていること、腹筋と背筋のバランスがとれていることが、長距離を効率よく走るためには重要です。

呼吸

深い呼吸をするためには、まずしっかりと息を吐くことが重要です。しっかり吐くことで体が緩み、自然と深く息を吸うことができます。背中や肩甲骨周りをよく動かすことで深い呼吸がしやすくなります。走る前や走った後に背中周りをほぐすストレッチを行うことが推奨します。

リズム

走るときの良いリズムを見つけることが、効率よく力を出すために重要です。リズムに乗れているときは、楽に感じることが多いです。良いリズムを再現する方法を見つけることで、安定したパフォーマンスを発揮することができます。

練習の代替

天気が悪い日や体調が優れない日は無理に走ることを避けるべきです。雨の日に無理に走ると怪我のリスクが高まり、風邪をひく可能性もあります。例えば、ショッピングモールでのウォーキングやインドアのエクササイズ、ストレッチや軽い筋トレなどが考えられます。トレーニング効果の維持やストレス軽減にもなりますし、一番は、罪悪感を感じずに休息を取ることが可能になります。

スタートラインに元気な状態で

オーバーワークをせず、元気な状態でスタートラインに立つことが重要です。過度なトレーニングは、疲労や怪我の原因となります。重要なのは、適度なトレーニングを行い、体をしっかりと回復させることです。レース前の数週間は調整期とし、トレーニングの強度を徐々に下げて体を休めることで、本番で最高のパフォーマンスを発揮することができます。

小山選手による動き作り(安定性・可動域の拡大)

続いて、小山選手がランニング前に重要な「動き作り」の実践指導を行いました。 動的ストレッチやウォーミングアップドリルを取り入れたプログラムで、体の可動域を広げる効果的な方法が紹介されました。

参加者は、慣れない動きに戸惑いながらも、丁寧な小山選手の指導をもとに実践し、体の硬さや体のバランス力の低さを実感されている様子でした。

ドリルを実践するうえでのポイントは「しっかり体の軸を作って、体の可動域を広げる意識を持って、運動前には必ず行ってください」とアドバイスがありました。

1km3分ペースでの見本走と実践練習

今回のセミナーのテーマの一つには「見て覚える走技術」ということで、3選手が1km3分ペースの「見本走」を披露しました。

1km3分ペースでフルマラソンを走ると2時間6分台と、とんでもないスピードです。日本のトップ選手の軽やかで美しく、安定したフォームに、参加者からは自然と、拍手と感動の声が上がりました。

その後の練習では、3選手がグループに分かれた参加者と一緒に、走るときの意識や姿勢などアドバイスなどをしながら、参加者にとっては貴重な時間となり、とても満足された様子でした。

監督・選手の紹介とインタビュー

松浦監督をはじめ3選手の紹介と高知龍馬マラソンを走られる方へのメッセージをいただきました。

松浦 忠明監督

松浦監督は、新潟県出身、大東文化大学に進学し、箱根駅伝には4年連続で出場しており、4年生の時には、区間賞の成績を残されています。卒業後は、名門の富士通の選手としても活躍されました。その後、高知国体に向けて陸上競技の強化を考える中、通信会社のくろしお通信が陸上競技部を立ち上げることとなり、監督して高知県に招かれ、指導者としてのキャリアをスタートしました。世界大会や都道府県対抗駅伝などで活躍する選手も輩出しています。

「龍馬マラソンには県外から来る方も多く、高知の美しい景色、太平洋や山々を見て楽しみながら、ゴールしてもらえればいいですね。走ることも高知県のことももっと好きになってもらいたいです。高知は、特に自然が豊かで、空気がきれいなこと、星空が美しいこと、皆さんが優しいところが魅力ですね。」

「高知県での合宿は長年継続しており、選手たちはここで育ったという実感を持っています。これからも継続して合宿を行い、高知県の魅力を多くの人に伝えていきたいと思います。」

河合 代二選手(キャプテン)

河合選手は、チームの最年長。10,000mは、マラソンの元日本記録保持者の大迫傑選手よりも速い、日本歴代16位の27分34秒86という記録を持っています。

「トレーニングをしっかり積んで望むことも大事ですが、体調管理をして自分の本当にいい体の状態、ベストの状態で望むことで、しっかり走りきれることができて、自然とタイムに繋がってくると思います。」

中西 亮貴選手

中西選手は、2024年12月1日に開催されました「防府読売マラソン」において、2時間8分51秒で優勝されました。

「結構タフなコースだと思うので、前半から飛ばしすぎないことを意識した方がいいかもしれませんね。特に浦戸大橋では無理をせずに、トータルで一定の力を出して目標タイムを設定するところに意識を置くことをおすすめします。」

小山 裕太選手

小山選手は、マラソンタイムはチーム一で、2時間7分57秒という記録を持っています。

「ランニング中、水分補給や栄養補給など、エイドステーションだけではなく、手軽に補給できるジェルなどもありますので、持って走られるとエネルギー切れを起こさないので、いい走りができるのではないかと思います。」

監督をはじめ3選手ともとっても高知を気に入ってくださっています。高知はとてもいい環境で練習ができ、気候もよく、何より食べ物が美味しくて、宿泊場所(はるのの湯)で提供されるカツオのたたきやお刺身などがとても美味しいとおっしゃっていました。

ニューイヤー駅伝出場

セミナー参加者からは「具体的で実践的な内容が多く、大変参考になりました」「選手と直接交流できたのが嬉しい」といった声が集まりました。今回学んだ内容が多くのランナーにとって有益なこととなり、大会当日、笑顔でフィニッシュできることを期待したいと思います。

トーエネックの選手の皆さんは、1月1日に開催されるニューイヤー駅伝に13年連続15回目の出場されますので、ぜひ皆さん応援をよろしくお願いします。

次回以降のランニングセミナーはこちらから↓

https://ryoma-marathon.jp/running-seminar