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奇跡の景観! “幸運の道”が現れる咸陽島を目指すレンタサイクリング

奇跡の景観! “幸運の道”が現れる咸陽島を目指すレンタサイクリング

フィールドスポーツ

柏島や足摺岬など、風光明媚な観光地が多い県西部の幡多地域。今回ご紹介するのは、宿毛湾に浮かぶ無人島「咸陽島(かんようとう)」です。島は陸側の「大島」から300mほど離れていますが、大潮の干潮時にのみ、海の中から道が現れます。歩いて渡り切ると幸運が訪れるといわれるこの場所を目指し、宿毛駅からレンタサイクルでのんびりサイクリングを楽しみましょう。

宿毛湾に浮かぶ咸陽島とは

沖に浮かぶ島が干潮時だけ陸続きになる「トンボロ現象」を、皆さんはご存知ですか。世界ではフランスのモン・サン・ミシェル、日本では江ノ島などが有名ですが、実は高知県にもこの陸続きになる島があるんです。それが、宿毛市「大島」の西海岸に浮かぶ小さな無人島「咸陽島」です。

普段、大島と海で隔てられている咸陽島ですが、大潮の干潮時には、海中から道が現れ、歩いて渡ることができるようになります。この道が現れるのは、満月と新月の月2回だけ。その珍しさからこの道は“幸運へと続く道”と信じられ、無事に咸陽島まで渡り切ると幸せが訪れるといわれています。 

一般的にトンボロは陸から離れた島が砂州でつながる現象をいい、その島は「陸繋島(りくけいとう)」と呼ばれます。それに対し咸陽島は、「島」と「島」がつながります。それも咸陽島が珍しいといわれる理由の一つ。島と島が結ばれるため縁結びにもご利益があると信じられ、近年はカップルにも人気。穏やかな宿毛湾、きらめく南国の太陽、その中にS字を描いたように浮かび上がる一本の道が、とても神秘的です。

レンタル自転車でサイクリング

今回は、土佐くろしお鉄道宿毛駅から咸陽島を目指す爽快なサイクリングの旅をご案内します。自転車を借りることができるのは、宿毛駅構内にある観光案内センター(宿毛市観光協会)。こちらでは、誰でも気軽に乗ることができる電動シティサイクル(一般サイズ、ミニベロ)と、長距離走行に向いているロードバイクが用意されています。

目的地の咸陽島までは4.5キロほど。今回は、近距離なので電動ミニベロをレンタル。受付でレンタサイクル利用申込書を受け取って記入し、身分証明書を提示、料金を支払えば、手続き完了!ヘルメットを受け取り、サイクリング出発です。 

なお電動シティサイクルは合計11台用意されており、基本的には当日レンタル可能ですが、事前予約をしておけばより安心です。

土佐くろしお鉄道宿毛駅を出たらまずは道路を南下します。県道354号線(片島港線)との交差点に出るので、右折して真っ直ぐ西へ。しばらく走ると左手に松田川の河口が見えてくるので、河口を見ながら南下しましょう。すると咸陽島の手前の大島への橋に到着します。

橋を渡って、大島の高台にある「宿毛リゾート椰子(やし)の湯」を目指します。ここからは坂道が続きますが、電動アシスト付きなら安心。上り切り、「宿毛リゾート椰子の湯」を過ぎたら、風を感じながら坂道を下っていきましょう。道の途中には海に向かって開けた高台の絶景スポットもあり、咸陽島と雄大な宿毛湾を眺めることができます。

そしてスタートから20〜30分ほどで、咸陽島手前の「咸陽島公園」に到着します。 

公園では、遊具で遊ぶ子どもたちやデイキャンプを楽しむ家族連れの姿も見られます。またこの場所は「だるま夕日」を望む景勝地としても有名。11月〜2月、よく晴れて大気と海水の温度差が大きい日にわずか数秒だけ現れるだるま夕日。その姿を捉えようと、冬場はカメラ愛好家も多く訪れます。

咸陽島での過ごし方

咸陽島に着いたら、足元に気をつけながら散策を楽しみましょう。干潮時に大島から咸陽島まで続く道は、自然現象でできたもの。波が運んできた砂や貝殻のかけらが堆積しており、よく見ると貝殻のかけらがキラキラと輝きます。数時間しか現れない神秘的な場所で、大自然の不思議な力を感じてください。

潮が引いた海岸は、石や岩がゴロゴロ。その岩にはさまざまな貝が付いていて、童心にかえって貝やサンゴのかけら探しが楽しめます。また岩を動かせば、下にはカニやヤドカリがいっぱい!地元の人がアサリをとる姿も見られます。

咸陽島に続く道を見たいという人は、潮位表を確認してお出かけください。季節によって異なりますが、大島と咸陽島がつながるのは干潮時前後2時間あまり。潮が満ち始めると見えていた道は徐々に海の中に沈んでしまい帰れなくなってしまいます。到着後は周囲をしっかり見て行動してください。また岩にはカキなどがたくさんついているので、歩きやすい靴で行くのがおすすめです。

気象庁潮位表
https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/tide/suisan/suisan.php?stn=SU

隠れ家カフェでひと休み

咸陽島を満喫したあとは、近くのカフェへ。お伺いしたのは、宿毛市片島にある「eatriel(イートリエル)」です。

こちらは、地元出身のオーナーが2009年にオープンしたカフェ&レストラン。白を基調とした明るい店内には穏やかな時間が流れ、旅の疲れを癒やしてくれます。「本を読んだりパソコン作業をしたり、ゆっくり過ごしてもらえたら」とオーナー。大きなガラス窓からは太陽の光がたっぷりと降り注ぎ、まさに“ひだまりのカフェ”といった趣が漂います。

メニューは、モーニングからランチ、デザートまで豊富。今回いただいたのは、手作りシフォンケーキセット。チョコレートをダイレクトに感じられるマンゴーショコラケーキや季節のフルーツをふんだんに使ったケーキまで、数種を取り揃えています。そのほか、自家製ベーコンのドリアなど、スタッフが丹精込めて作る料理も評判です。

地元の人だけでなく、最近はSNSを見て訪れる遠方の観光客も多いのだとか。一人でまったりするもよし、お友達とおしゃべりに花を咲かせるもよし。優しいオーナーが訪れる人を迎えてくれる隠れ家カフェです。

おいしいケーキでパワーをチャージしたら、今回の旅は残りわずか。自転車で宿毛駅へ戻り、構内の観光案内センターで自転車を返却しましょう。 

のどかな宿毛の街のサイクリング&幸運へと続く奇跡の道の散策、いかがでしたか?ぜひ皆さんも、宿毛の自然に癒やされてください。

施設情報

宿毛駅観光案内センター(宿毛市観光協会)

住所/宿毛市駅前町1-703 
電話番号/0880-63-0801 
営業時間/8:30〜17:30(13:00〜14:00は休み) (水曜定休)
料金 /電動シティサイクル:5時間500円(ヘルメット付き)、5時間以上の場合は1時間につき100円追加 
ロードバイク:8時間2000円(ヘルメット付き)

※宿毛市では、レンタサイクル利用者に市内の参加店舗で使える500円クーポン券を進呈する「すくも食べるシアタープロジェクト ライド&イート」を実施中(開催期間は令和5年度中)。レンタサイクル1台につき1枚クーポンがもらえ、当日から利用可能。カフェ、レストラン、スイーツなど、さまざまな店舗で使えます。

eatriel(イートリエル)[カフェ]

住所/宿毛市片島4-41-5 
電話番号/0880-65-8590 
営業時間/8:00〜17:00(LO16:30)(水・木曜定休)