【スポる！移住者インタビュー】武本秀造さん　農家とラフティングの二刀流で、高知の豊かな自然の魅力を発信

高知県中西部の町、佐川町で土佐文旦農家「ろぼ農園」を営み、春～秋の季節には、隣町の越知町でラフディングガイドもしている武本秀造さん。2004年に大阪府から高知市に移住し、会社員などを経て農家として独立。会社員時代から越知町を流れる仁淀川でリバーガイドをしていた経験をいかし、2021年より個人で「LoBoRAFTER」を立ち上げ、ツアーを主催しています。そんな農家とラフティングガイドの二刀流をこなす武本さんに、移住から現在に至るまでの経緯や、仁淀川ラフティングの魅力をお話ししていただきました。

大阪から高知へ。試行錯誤の末、農業を生業に

兵庫県出身で、移住前は大阪府のイベント会社で忙しく働いていたという武本さん。そんな日々の中「地方でもう少しのんびり暮らしてみたい」という思いが募り、移住を考えるようになったと言います。転職を考えていた時、興味のあったものづくりの分野で木工会社の求人を見つけて高知県への移住を決意。 

木工会社への就職が決まり、2004年高知市に移住。その後も生業を求めていくつかの職業を経験したそうですが、転機は、越知町にある農業法人への就職。そこで佐川町の文旦栽培を管理することになり、高知市から佐川町への移住を決めます。そして2014年、のれん分けのような形で文旦農家として独立。「ろぼ農園」をスタートさせ、今年で9年目を迎えました。

心奪われた仁淀ブルーとラフティング

ラフティングとの出合いは農業法人に勤務していた頃。知人から、越知町を流れる仁淀川でラフティングガイドをしないかと誘いを受け、二つ返事で引き受けることに。吉野川でプロガイドとして活躍されている方に師事。トレーニングを積んだ後に本格的にリバーガイド人生をスタート。2021年には、「LoBo RAFTER」を立ち上げ、農作業が比較的落ち着く３～11月頃をメインにラフティングガイドを行っています。

「当時、高知といえば四万十川が全国的に有名でしたが、こちらに来て仁淀川の美しさを知りました。びっくりするほど透明で、じっと見ていると吸い込まれそうになった感覚を今でも憶えています。一般的にラフティングというと、ボートで激流を下るイメージが強いと思いますが、「LoBoRAFTER」がガイドを行っている仁淀川は流れが穏やかなので、ゆったりとしたスピードで進みます。小さなお子さんから年配の方、水が苦手な方までみんなで楽しめるのも魅力。底が見通せるほど透き通った川の美しさ、風にそよぐ木々の葉音、野鳥の声、川面に跳ねる魚たち…仁淀川とその周りの自然をめいっぱい満喫できます」と、話してくれました。

ゆったりと流れに身を任せ、自然を感じる体験は思わぬ影響もあるようで、愛犬を亡くした奥様がひどく落ち込んでいたため、ご主人の発案でツアーに参加したご夫婦は、ツアーを終えると、暗い面持ちだった奥様の表情が明るくなり「気分が晴れました。ありがとう」とおっしゃってくださったそうです。

一方、アクティブに楽しみたい方には、武本さんがわざとボートを揺らしたり、ひっくり返したり、飛び込みタイムを入れたりして盛り上げてくれます。トークやパドルさばきも駆使し、参加される方のご要望に応じて楽しんでもらえる工夫をしているそうです。

ネイチャーツアーでこれまでにない体験を

川のアクティビティとしての楽しさはもちろん、仁淀川を取り巻く自然の素晴らしさを知ってほしいと、「LoBo RAFTER」ではラフティングを活用したネイチャーツアーも実施しています。ボートに乗って川をゆっくり下りながら、専門家のガイド付きでバードウォッチングを楽しめる「野鳥観察ツアー」や、真っ暗な川の上から夜空に輝く満天の星を見上げる「星空観察ツアー」などそこにある自然をありのまま感じる体験が待っています。
「星空観測ツアー」は、現在メニューのレギュラー化を目指して内容をさらに思案中。確定次第、ロボラフターのホームページに詳細がアップされるので、お楽しみに。

高知の自然の恵みで、人生を豊かに

「ろぼ農園」で文旦を購入してくれた方が「LoBo RAFTER」遊びに来てくれたり、逆にラフティングに参加された方が文旦を購入してくれることもあり、「今後は農園とコラボした何か楽しい企画も実施できたら」と、武本さん。また、全国的に「仁淀ブルー」の認知度が広がり、メディアで取り上げられることも増え、訪れてくれる県外の方も増えているそうですが、自身でも発信に取り組み、実際の体験までをサポートすることで、魅力度アップに貢献したいと語ります。

農園とラフティング事業の屋号に使われる「ろぼ」は、シートン動物記「オオカミ王ロボ」から命名したそう。するどい嗅覚と感性を持ち、冷静沈着で賢いオオカミに習い、今後も多彩なアイデアで、仁淀川の自然を通して人生を豊かにしてくれる何かを企ててくれそうです。

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