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ダンスで元気なまちづくり。四万十市のダンスイベントに密着!

ダンスで元気なまちづくり。四万十市のダンスイベントに密着!

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2023年11月、四万十市の新たな文化施設「しまんとぴあ」のプレオープンイベントとして、「四万十市長杯 DANCE BATTLE&CONTEST」が開催されました。ダンスを通じたまちおこしを目指す四万十市の思いや、プロダンスチーム「SEPTENI RAPTURES(セプテーニラプチャーズ)」も参加したイベントの模様をレポートします。

ダンスを通じたまちおこし

スポーツ振興を推進する高知県では、全ての人がスポーツを楽しめること、そして全ての人がスポーツ体験や観戦を通じて仲間や地域と感動を得られる環境づくりを進めています。そして、健康づくりや世代を超えた交流の促進など、スポーツを通じて県民や地域を元気にするさまざまな取り組みを行っています。

その一環として始まったのが、ダンスを通じたスポーツ振興です。パートナーとして活躍いただいているのは、プロダンスチーム「SEPTENI RAPTURES(セプテーニラプチャーズ)」。セプテーニラプチャーズはこれまでも高知県を複数回訪れており、強化合宿を行ったり、小中学校を訪問しワークショップを開催したりしてきました。そのつながりを生かし、またダンスを通じたスポーツ振興をさらに推進するため、2023年、県とセプテーニラプチャーズを運営する会社は連携協定を結びました。

その活動に共鳴したのが、高知県西部に位置する四万十市です。過去にはセプテーニラプチャーズが合宿を行ったり、ワークショップを開催したりと縁のあった同市。ダンスを地域の文化に、そして振興ツールにしたいと願っており、今回のイベントの舞台である「しまんとぴあ」も、鏡張りのホールや多数の楽屋を備えた、ダンスイベントにふさわしい施設として整備されています。

「しまんとぴあ」について

ここでは、しまんとぴあ(正式名称:四万十市総合文化センター)について詳しくご紹介します。しまんとぴあは、市の旧施設の老朽化に伴い整備されました。まちに賑わいを生む交流拠点施設として、また芸術・文化・生涯学習の拠点施設として、人々が集う施設です。

グランドオープンは2024年4月29日ですが建物は完成しており、今回取材に訪れた「四万十市長杯 DANCE BATTLE&CONTEST」をはじめ多くのプレイベントが開催されています。

しまんとぴあのメイン施設「しまんとホール」は、805客席もある大ホール。客席はステージを囲むようなワインヤード型で、どの席からもステージが見やすいよう設計されています。さらに高機能な舞台設備や音響性能を整えており、本格的な公演が可能。車椅子席6席、多目的室2部屋も設けられ、多くの人が利用できます。

1階には、鏡張りの小ホール「りぐるホール」もあります。リハーサルに使えるのはもちろん、舞台や照明などを設置でき360人を収容することも可能。そのほか防音スタジオも整備され、練習やイベントなど幅広い用途で利用できます。

四万十市長杯 DANCE BATTLE&CONTEST

ダンスで元気なまちづくりを目指す四万十市。その象徴でもある「しまんとぴあ」のプレオープンイベント第1弾として、「四万十市長杯 DANCE BATTLE&CONTEST」が開かれました。

完成したばかりの会場には、続々と人が集まり大賑わい。地元の参加者は「四万十市以外からもたくさん人が来ていて、びっくりしています。バトルに出るのでドキドキしています」とうれしそうに話してくれました。

セプテーニラプチャーズのITTONさん、SAKURAさん、AYUMIさん、Harutoさん、TAKORONさんの5名も参加しました。

イベントは地元高校生たちのオープンニングアクトで賑やかに幕が開き、「ダンスで活気ある元気なまちづくりを」という四万十市長の力強い挨拶がありました。

そしていよいよ、ダンスバトルのスタートです。まず予選が行われ、参加者42人がA、Bグループに分かれて、一人45秒ずつダンスを披露。

どの参加者も即興ダンスをクールに決め、熱い戦いとなりました。そして各グループ8人が勝ち残り、決勝へ。

バトルジャッジは、セプテーニラプチャーズのSAKURAさん、AYUMIさん、TAKORONさんです。

決勝はトーナメント形式。予選を勝ち上がった16人が熱いバトルを繰り広げます。一戦ごとに会場はどんどんヒートアップ!SAKURAさん、AYUMIさん、TAKORONさんが旗を上げたほうが勝者ですが、なかには負けが分かった瞬間、涙を流してしまう小学生も。そんな中、頂点に輝いたのは土佐町出身のフリーダンサー、Hibikidafoolishさんです。

「サイコー!めっちゃ楽しかったです!自分が子どもの頃は周りでダンスをしている人ってほとんどいなかったけど、高知県でもダンス人口が増えてきて、今日は昔ダンスを教えていた子も参加していて、うれしくなりました。高知の子どもたちのレベルがすごく上がってきているのを実感します。今日のようなイベントもあって、10年前と比べたらすごく良い時代になったなって思います」。

そのほかイベントでは、ダンスコンテストも行われました。コンテストには一般7チーム、小学生以下9チームが参加。ソロの人もグループの人も各チームの個性を存分に披露して、会場は大盛り上がり! コンテストジャッジは、ITTONさん、Harutoさん、TAKORONさんが務めました。

コンテストの結果、一般部門を制したのは、ソロで出場した大月町出身のSeiさん。

「昔からダンスを続けていますが、コンテストで優勝できたのは今日が初めてです。おまけに今日は、地元の恩師も見にきてくれているんですよ。ソロで出て優勝できて、めっちゃうれしいです。こういったコンテストやダンスバトルはとても良い機会ですよね。また開催されたら、ぜひ出場したいです」。

コンテストの小学生部門1位は、こちらもソロで出場したAnちゃんです。

「小学2年生です。高知市から来ました。ダンスは3歳から始めました。今日はドキドキしたけど、1位になれてうれしかったです」。

Anちゃんはダンスバトルにも出場しており、なんと決勝に進出した実力者。ダンスバトルで優勝したHibikidafoolishさんも、Anちゃんのダンスを絶賛していました!

またこの日は、前日に行われたワークショップの成果も披露されました。実はイベント前日、しまんとぴあのスタジオでは、セプテーニラプチャーズによるダンスワークショップが開かれていました。

参加者は、高知県内のダンス部や一般公募で集まった約60人。グループに分かれてセプテーニラプチャーズのメンバーからレクチャーを受け、イベントで披露する約5分半の作品を一緒に練習しました。

練習時間は約3時間でしたが、小学生も含めみんな素晴らしい集中力。短い時間でしたが参加者はぐんぐん成長し、イベント当日は覚えた振り付けやフォーメーションを完璧に披露しました。

セプテーニラプチャーズからのコメント

セプテーニラプチャーズのメンバーからは、温かいコメントやアドバイスが参加者に送られました。

ITTONさん「ダンスバトルがこの地で開催されたこと、ダンサーとしてうれしく思います。みんなもっとうまくなって、またしまんとぴあで開催できるように、練習してくださいね!」。

SAKURAさん「今日挑戦してくれたこと、それだけで意味があると思います。高知のみんながすごくダンスを楽しんでいるんだなって伝わりました。皆さん素敵なダンスで、これからも続けてほしいです」。

AYUMIさん「自分のダンスのシルエットにこだわって、自信を持って踊ってほしいと思います。自分のスタイルで戦ってくださいね!」。

Harutoさん「コンテストは練習した成果を発揮できていたチームが多くて、良い印象でした。素晴らしいダンスで、とても刺激になりました!」。

TAKORONさん「ダンスバトルでは知っている子が多く参加していて、子どもたちがうまくなっているなと実感しました(※TAKORONさんは高知県出身で、高知のダンスシーンのことをよくご存知です)。コンテストのほうも観ていて本当に飽きなくて、また観たいなと思える大会でした」。

TAKORONさんには、改めて楽屋で感想を伺いました。

「今日参加して、高知のダンスシーンのレベルがどんどん上がっていると思いました。久しぶりに帰ってきたら、みんなのダンスがめっちゃ上手になっていて! 高知でダンスが盛り上がっているのを感じられて、参加できて本当に良かったです。僕はDリーグ23-24リーズンからセプテーニラプチャーズに加入しました。リーグのほうも頑張りたいし、ダンスを通して郷土の力になりたいですね」。

最後に

前日のワークショップから当日のバトル、そしてコンテストまで、しまんとぴあのプレオープンイベントは大いに盛り上がり、幕を閉じました。四万十市生涯学習課の戸田裕介課長は「四万十市では開催したことのなかった新たな取り組みでしたが、セプテーニラプチャーズの皆さん、そして参加者の皆さん、観覧の皆さんにもたくさん来ていただき、活気ある良いイベントになりました。今後もダンスイベントを続けていきたいですし、セプテーニラプチャーズの皆さんには四万十市をホームだと思っていただけたらうれしいですね」と話します。

「しまんとぴあは開かれた施設です。今日のようなイベントを開催して若い世代にも来ていただきたいし、開放されたスペースで勉強するなど、日頃から気軽に寄ってほしいと思います。また生涯学習を推進していますので、シニア世代の方々にもぜひ来館いただきたいです。四万十市には、学校のダンス部をはじめ、創作ダンス、民謡など、さまざまなサークルがあるんですよ。スタジオを3室用意していますので、全世代が活発に活動し元気になっていただきたい。そして、まちそのものも元気にしていきたいですね」。

しまんとぴあでは、2月4日(日)に劇団四季ファミリーミュージカル『ジョン万次郎の夢』、2月11日(日)には『Don‘t Stop Believin‘』~アーティストと一緒に舞台を創る 市民参加型ダンス公演~が開催される予定。高知県四万十市の文化・スポーツの振興拠点であるしまんとぴあの今後にも、ぜひ注目を。

施設紹介

四万十市総合文化センター しまんとぴあ

住所/高知県四万十市右山五月町7-7
開館時間/9:00〜22:00、年末年始(12月29日~1月3日)は休館
(2024年5月7日より上記にて開館)
問い合わせ先/0880-34-1501(四万十市教育委員会生涯学習課)