fbpx
SPORTS

SPORTS

スポーツ記事

3年ぶりに開催、高知県最大の市民マラソン大会「高知龍馬マラソン2023」

3年ぶりに開催、高知県最大の市民マラソン大会「高知龍馬マラソン2023」

フィールドスポーツ

2023年2月19日、新型コロナによる2度の中止を経て3年ぶりに「高知龍馬マラソン2023」が開催されました。約7,000人のランナーが高知市の県庁前をスタートし、日本陸連公認コースの42.195kmを力走! その模様をご紹介します。

高知龍馬マラソンとは

高知龍馬マラソンは、2013(平成25)年から始まった県内最大の市民マラソン大会。種目は、18歳以上を対象とする42.195kmの「フルマラソン」と、小学1年生~18歳未満と車いす利用者を対象にした1.4kmの「ファンラン」の2つ。フルマラソンのコースは、高知城下の県庁前をスタートし、市街地や田園、太平洋眺める海沿いなど、高知県の自然の魅力も楽しめるルートとなっています。

「高知龍馬マラソン」の大会の特徴の1つとして挙げられるのが、制限時間が7時間であるという事。一般的には6時間以下が多いですが、少し長めに設定することで初心者の方も完走しやすく、また沿道の皆さんやランナー同士でコミュニケーションを取り、励まし合いながら走ることができます。

コースの最初から最後まで沿道からの声援が多いマラソンとしても知られており、ランナーだけでなく、県民のみなさまも、ランナーを応援するのを楽しみにしてくださっている方がたくさんいます。

また、龍馬マラソンの給水所では、スポーツドリンクや果物などの他に、高知特産のトマトや柚子ジュース、茄子ゼリーやかつお飯といった特産品も提供されています。もはや給水ではなく食事、といった声も聞こえて来るほどのおもてなしで、ランナーの皆様をお迎えしています。

こうした給水を含め、受付、救護、大会本部など3,000人を超えるボランティアの皆さんに支えられ、大会運営が成り立っています。

コース概要

高知龍馬マラソン2023コースマップ(出展:高知龍馬マラソン2023公式ホームページ)

【スタート】県庁前→はりまや橋→南国バイパス→県道春野赤岡線→浦戸大橋→桂浜付近→県道春野赤岡線→仁淀川河口大橋→土佐市新居甫渕折返し→県道春野赤岡線→【フィニッシュ】春野陸上競技場 

スタートとゴールが別の地点に設けられており、コースの半分が海沿いなのが特徴。また、コースマップの右下にあるように、中盤と終盤に大きな高低差がある難所を擁すコースとなっています。

コース中には給水所の他、20箇所の救護所が設けられており、医師・看護師・理学療法士が待機。万が一の際のランナーの救護に万全を期しています。 

また、3時間から30分置きにペースランナーがランナーの皆様を先導し、自己ベストを目指す市民ランナーの目標達成を支えています。2023大会では23名のペースランナーがボランティアとして参加くださいました。

18日は前日受付。会場ではイベントも開催

大会参加者は、前日の2月18日高知市中央公園で行われた事前受付にて、当日のアスリートビブス(ナンバーカード)やシューズに付けるランナーズ チップ、参加賞Tシャツなどを受け取り、本大会に備えます。 

高知出身の友人に誘われて今回東京から参加したという女性は、「すごく良い大会って聞いています。昨年走りたかったけれど中止になってしまい、今年初めての挑戦になりました。絶対ゴールしたい!完走目指して頑張ります」と話してくれました。 

会場ではイベントも同時開催されました。メインステージでは、和太鼓演奏やよさこい鳴子踊りが披露されたほか、大会アドバイザーでもある金 哲彦さんによるランニングクリニック、大会ゲストの皆さんによるトークショーも開かれ、多くのランナーや観客で賑わいました。 

左から金 哲彦さん、山下 俊輔さん、稲村 亜美さん、間 寛平さん、瀬古 利彦さん

トークショーの出演者は、名実ともに日本のマラソンブームを牽引してきたマラソン界のレジェンド「瀬古 利彦さん」、高知県出身で、芸能活動を休止しマラソンとヨットで地球を一周した経験を持つレジェント芸人「間 寛平さん」、早稲田大学時代は箱根駅伝の山登りで活躍し、現役でプロランニングコーチを務める「金 哲彦さん」、高知県出身のギタリストで龍馬マラソンにも出走、NHK連続テレビ小説「らんまん」の挿入歌も決定した「山下 俊輔さん」、「神スイング」で話題を呼び、タレント業とスポーツをマルチにこなす「稲村 亜美さん」の5人。

トークセッションはスタートから大盛り上がり。稲村さん以外の4人のみなさんは、これまでも大会ゲストとして参加していただいた経験もあり勝手知ったる仲で、3年ぶりとは思えぬ息の合ったトークで会場を湧かせていました。

真面目な話も、そうじゃない話もたくさんお話いただく中、せっかくなのでとランナーの皆様へもエールやアドバイスをいただきました。 

明日は気温が高いので、皆さん早めに給水してください。皆さんの笑顔のゴールを待っています!(瀬古さん) 

一生懸命応援しますから、ぜひ応えてくださいね!(間さん) 

皆さん自分との戦いだと思います。練習で走ってきたものを出せるよう、祈っています。頑張ってくださいね。(稲村さん) 

明日は僕も走ります。リラックスして力を入れず、完走を目指したい。皆さん僕を追い抜いていくと思いますが、頑張れって言ってくださいね(笑)(山下さん) 

3年ぶりの高知龍馬マラソン、皆さんと一緒に走ります。頑張りましょう!(金さん)

19日当日。3年ぶりの龍馬マラソンのスタート

2月19日、いよいよ大会本番の日。高知県庁前と高知市城西公園では、早朝から手荷物預かりが行われます。

 続々と集まる参加者たちは、「楽しんで完走できたらと思います」「5時間切りを目指して走っていきたいです」と、それぞれの目標を胸にスタートに備えます。中にはユニークな被り物を被ったり、仮装をしたりする参加者も。“楽しんで走る”という和やかな雰囲気も、高知龍馬マラソンの特徴です。 

そして8時30分、まずは「ファンラン」のスタートセレモニーから。濵田省司高知県知事から「障害のある方もない方も、皆さんで一緒に楽しんで、楽しく爽やかに1.4kmを駆け抜けていただきたいと思います」と挨拶があり、8時40分に伴走者を含めた300人あまりのランナーがスタートを切りました。 

続いて8時45分からは、「フルマラソン」のスタートセレモニーです。濵田知事から「県内外からたくさんの方に来ていただき、また多くの応援もいただき、開催することができました。ぜひ高知の自然も楽しんでください」とメッセージが送られました。 

各ゲストからのエールをいただいたあと、9時に第一ウェーブ、9時10分に第二ウェーブがスタート。本大会ではスタート直後の密集を解消するためウェーブスタートを導入しており、2つのグループに分けて時間をずらしたスタートとなりました。正式記録は各ウェーブの号砲からのタイム。

当日はあいにくの曇り空でしたが、お昼頃までに小雨が上がり、気温が上昇。「春一番」が吹き、ランナーにとって走りやすい気候となりました。 

沿道には、拍手や声援を送る地元民がずらり。沿道のみなさんも気合いの入った応援でランナーを励まします。

「1回目の開催から毎回応援に来ています。今年は青学の学生さんたちも走るので楽しみ!」という方もいらっしゃいました。 

その青山学院大学の選手たちは、さすがの走りでレースを先導。フレッシュグリーンのユニフォームに身を包んだ選手たちに、たくさんの声援が送られました。 

フィニッシュの春野陸上競技場に最初に飛び込んできたのは、兵庫県から参加した小田俊平さん。小田さんは青山学院大学のOBで、22km地点では同大学のコーチからも「頑張れ」と声援を受けてレースを引っ張りました。大学卒業後、市民ランナーとしてさまざまな大会に出場している小田さんは、今回初めて高知龍馬マラソンに参加。見事2時間19分40秒という好記録をマークし、優勝を飾りました。

「気候が良くて走りやすく、良い結果を出すことができました。途中の浦戸大橋はキツかったですが、走る先々で “よく来てくれました!” とか “ようこそ高知へ” と地元の方々が声援を送っていただき、温かいおもてなしを感じながら走ることができました」。 

小田さん、優勝おめでとうございます。 

女子の優勝は、2時間56分58秒でゴールした東京から参加の柿沼久代さん。 

「高知龍馬マラソンは応援がずっと途切れない、大好きな大会です。コロナで2回中止になったので、やっと高知に来れました。そして5回目の参加で、やっと優勝できました。また来年もぜひ来たいです」。

 柿沼さん、来年も高知でお待ちしています。 

また現役高校生として最上位に入ったのは、総合22位と好成績を残した高知工業高校生の小松睦さん。記録は2時間36分19秒です。 

「今日は祖父、父と3世代で参加しました。ラスト10kmはしんどかったけど、周りの方に引っ張ってもらいました。高3ラストの大会でしたが、今後も市民ランナーとして走っていくつもりです。将来ホノルルマラソンで優勝するのが目標です!」。 

高知の期待の新星、ぜひ今後も走り続けてくださいね。 

そのほかにも、たくさんのコメントをいただきました。 

「めちゃくちゃ楽しいコースでした。応援が途切れなくあるのがすごいですね」(埼玉からの参加者) 

「自己ベストが出ました。やりました!」(仲間といつも走っているというマラソン愛好家) 

「沿道の温かい声援に元気もらいました。楽しかったです」(3年ぶりにフルマラソンに参加した高知の方) 

「サブスリーはランナーの勲章ですから、お役に立てたかなと思います。かつお飯や柚子ドリンク、トマトなど、おいしい高知の食べ物も満喫しました!これぞ高知の良さですね」(3時間ペースランナー) 

13時からは春野陸上競技場内で表彰式が行われ、男子、女子それぞれ総合10位までのランナーが表彰を受けました。

濵田知事 
「皆様、ご健闘お見事でございました。高知龍馬マラソンはタフなコースと定評がありますが、温かいおもてなしと雄大な景色を楽しんでいただけましたでしょうか。ゴールを切った皆さんの笑顔に、元気をいただきました。来年は2024年2月18日に開催予定です。ぜひ来年もふるってご参加いただきたいと思います」。 

また、龍馬に扮してランナーと一緒に完走した大会アドバイザーの金さんにも、ゴール後に熱いメッセージをいただきました。 

金さん
「3年ぶりだったけれど、ランナーも沿道の人も、全く変わっていなかったです!この大会の魅力は、地元の人の応援が多いところ。それに海沿いの景色がキレイ。美しい景色とおいしい食べ物、フルコースでいただきました(笑)。高知龍馬マラソンは制限時間が7時間と比較的ゆるいので、ゆっくり走っても完走でき、達成感を味わえます。この達成感はマラソンならでは。人生が変わりますから。皆さんもマラソンに挑戦して、人生を変えてみませんか!」 

最後に

10代から80代まで、45の都道府県と海外から、総勢8,007人がエントリーした今大会。当日は 6,988人が出走し、約95%の6,621人が完走しました。フィニッシュの春野陸上競技場の「おもてなし広場」では、うるめのつみれ汁が無料でふるまわれたほか、軽食やみやげもの、マッサージテントなどが出店。ランナー同士の交流も見られるなど、お祭りのような賑わいとなりました。 

来年は記念となる10回大会。2024年2月18日の開催を予定しています。新春の土佐路一緒に走りましょう!全国、そして海外からのエントリーを、高知県民一同お待ちしています!