元プロ野球選手・杉谷拳士さん、香南市を市長とサイクリング

2023年12/3～4の日程で高知を訪れ、トークショーや小学校での出前授業を行い、高知の子どもたちと交流した元プロ野球選手・杉谷拳士さん。滞在2日目の12/4には香南市にも足を延ばし、濱田豪太市長と海沿いのコースをサイクリング。「自転車のまち・香南市」のPR活動と共に、同市の豊かな自然をいかしたスポーツ振興などについて市長と意見を交わしました。

杉谷拳士さんプロフィール

杉谷拳士さんは、2008年に北海道日本ハムファイターズに入団。身長173cmと野球選手にしては小柄ながら、投手と捕手以外全てのポジションで試合出場経験を持つユーティリティープレイヤーとして活躍。ユーモアたっぷりの性格で、球界きっての愛されキャラとしても有名でした。そして2022年の現役引退後は、スポーツリポーターやタレント活動のほか、全国でスポーツ振興を目的とした講演会や出前授業などを行っています。

自転車のまち・香南市

土佐電気鉄道安芸線の廃線跡を利用したサイクリングロードの沿線にもなっている香南市では、昭和60年にサイクリングターミナルを開設。太平洋に面した南側の海沿いを走れるコースや、各観光施設を経由しながら周遊できるコースなどを設定し、サイクリングを活用した香南市の魅力発信に力を入れています。市内ではレンタサイクルの施設が 5カ所あり、走りたいコースによって出発&ゴール地点近くの貸出施設を選ぶことができます。（※自転車は貸出場所へ要返却）

<レンタサイクル施設>

1. 土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線 のいち駅
2. 創造広場 アクトランド（香南市野市町）
3. 神明自転車店（香南市赤岡町）
4. ヤ・シィ広場（道の駅やす内）
5. 香南市サイクリングターミナル

詳細はこちら　【香南市観光協会】https://kounan-navi.com/feature/jitensya/

赤岡町の芝居小屋「弁天座」を見学

サイクリングの前に杉谷さんが立ち寄ったのは、香南市赤岡町にある芝居小屋「弁天座」。
花道、廻り舞台、セリ（舞台に開く四角い穴）などを備えた本格的な芝居小屋で、歌舞伎や演劇、音楽、ダンスイベント、文化サークルの発表会や同窓会、カラオケ大会まで多目的な使い方が可能。新しいスタイルの文化交流施設として地域内外の方に利用されています。

館内に案内された杉谷さんは「すごい！本格的ですね」と、驚いた様子でさっそく升席に座ったり、花道を歩きます。すると、弁天座の小屋番を務める浜口尚之さんが「升席はどこに座っても舞台が見えやすいように、軽く勾配をつけています。舞台の造りもかなり低めで、首が疲れにくい工夫をしているんですよ」と、解説してくれます。

なるほど～と感心しながら、「舞台に上がってみてもいいですか？」と聞く杉谷さんに、「どうせならセリを体験してみますか？」浜口さん。「ぜひ！」と、声を弾ませ、舞台裏に消えていく杉谷さん。

しばらくすると、音に合わせて奈落からせり上がる舞台上に、歌舞伎の決めポーズでゆっくりと登場。スタッフや取材陣を笑わせてくれました。

元々は、明治33年頃に町の旦那衆が資金を出し合って造ったといわれる弁天座。その後、天災で崩壊しては再建し、2007年「香南市にもう一度人を呼びたい」と、現施設が完成しました。見学を終えた杉谷さんは「子どもたちが歴史や文化に触れることができる、こういった施設は貴重ですね。僕もここでトークショーや食育セミナーをやってみたいです！」と、意欲満々のご様子。ぜひ実現させてください！

ヤ・シィ広場で市長と合流し、自転車をレンタル

弁天座を堪能した杉谷さん。次は、車で約5分ほどの場所にある道の駅やす内「ヤ・シィ広場／レンタサイクル施設」で、香南市の濱田豪太市長と合流します。

挨拶を交わし、さっそく受付で自転車をレンタルします。レンタルは当日受付のみ、6時間以内にこちらの施設に返却します。自転車のサドルの高さを確認し、ヘルメットを着用したら、いざ出発！この日は海沿いをサイクリングし、塩谷海岸や手結可動橋などに立ち寄ります。

オーシャンビューサイクリング

道の駅やすを後にした杉谷さんと濱田市長は、海に面した道へと自転車を走らせます。
ほどなくして現れた土佐湾に「うわぁ～海、きれい！めっちゃ気持ちいい！」と、歓声を上げる杉谷さん。「海を見ながらのサイクリング、最高でしょう？」と、濱田市長が笑顔でこたえます。

濱田市長「あちらに見えるのが桂浜で、坂本龍馬の像が立っています。この辺りの海ではシイラやじゃこが獲れるんですけど、新鮮なじゃこは“どろめ“といって、生で食べる習慣もあります。農作物でいえば、日本一の生産量を誇るニラや、フルーツトマト、メロンなんかも有名です。そうそう、最近県内企業が運営するワイナリーもできたんですよ」

杉谷さん「ワイン、大好きです！そういえば今朝、朝食でニラ入りの玉子焼きをいただきました。香南市は、自然も食も本当に豊かなんですね」

少し立ち止まり、海の向こうを眺めながら談笑したお二人。続いての目的地「塩谷海岸」へ向けてスタートします。

地元の人に愛される塩谷海岸

道の駅やすから自転車で約10分の塩谷海岸は、テーブルサンゴやソフトコーラルが群生する抜群の透明度。駐車場横の階段から海岸へ下りてビーチコーミングをしたり、岩場や潮だまりでの生き物観察や、奇岩の造形美を楽しめるスポットです。

濱田市長「私も塩谷海岸には家族でよく磯遊びに来るんです。子どもの頃、遠足といえばここでした」

杉谷さん「水が透き通ってて本当にきれいですね。子どものうちからこんなに豊かな自然に触れられるなんて。すごく恵まれていると思います。海やサイクリングロードをいかして、トライアスロンの大会を誘致したり、子どもたちの体力作りに活用するのもおもしろいかもしれません」

濱田市長「ありがとうございます。それはいいアイデアですね。杉谷さんからも、香南市の魅力をぜひ多くの方に伝えていただければ嬉しいです。それでは、香南市最大のサイクリングターミナルへ参りましょう！」

多彩な自転車がスタンバイ。香南市サイクリングターミナル

塩谷海岸から自転車ですぐの場所にある香南市サイクリングターミナルは、クロスバイクやマウンテンバイク、二人乗りのタンデム自転車など、60台以上の多彩なレンタサイクルが揃う施設。敷地内には、宿泊施設やテニスコートもあります。

杉谷さん「いろいろな種類の自転車があるんですね」

濱田市長「そうなんですよ。タンデム自転車なんかは、親子や、障がいのある方 にもご利用いただいているようです。香南市は、サイクリングを活用した地域活性化に取り組んでいますが、他にも、マリンアクティビティなどさまざまなスポーツが楽しめるんですよ」

杉谷さん「体を動かして、まちの魅力を体感できる土壌がしっかりあるんですね」

濱田市長「最近では、障がいのある方や高齢者の方が車いすのままビーチに入ることができる“ユニバーサルビーチ”も導入しました」

杉谷さん「そうやって誰もが気軽にスポーツや観光を楽しめるようになればいいですね。時代のニーズに素早く対応されていて、すばらしい取り組みだと思います」

お話が盛り上がっている中ですが、次の目的地、手結可動橋の開閉時間が近づいてきました。急いで出発です。

香南市の奇景スポット「手結可動橋」

香南市サイクリングターミナルから自転車で5分ほど走ると、手結港の入り口に架かる全長32ｍの可動橋「手結可動橋」に到着。こちらは、1日6回決まった時間に船の通航のために開閉され、一方の道路が橋げたごとゆっくりと跳ね上がる全国でも珍しい「片側跳開橋」。TV番組やCMのロケ地として紹介されたことで注目を集め、その様子をひと目見ようと県外からも観光客が訪れるスポットです。

跳開角度は最大70度、天高く道路に突き刺ささるようにそびえ立つ可動橋を目の前にした杉谷さんも「わあ～こんな上がり方するんだ！意外と急ですね。これはインスタ映えするなあ」と、大興奮。せり上がった可動橋をバックに写真撮影。さっそくご本人のインスタグラムにアップされていました。

リンク：杉谷さんのインスタグラム

杉谷さんと濱田市長のサイクリングは、ここで終了。短い時間でしたが、一緒にサイクリングしてみた感想を、濱田市長に伺いしました。

「普段はテレビやYouTubeでしかお目にかかることのない杉谷さんにお会いできて、嬉しかったです。特に子どもたちのことを一番の軸に置き、心身共にたくましく育つには何が必要かということを真剣に考えてくださっている姿に感銘を受けました。私の思いと共通する部分もたくさんありました。プロのアスリートとして活躍して来られた方が、自然の中で得られる貴重な体験を伝えてくださることで、子どもたちの心が動くのではないかと思います。ぜひ、このような活動を続けていってください。

香南市のサイクリングは、今日体験していただいたように、非常にきれいな海を見ながら走られる爽快感が魅力です。日頃のストレスを忘れてリフレッシュしに、ぜひたくさんの方に来ていただきたいです」

最後に「杉谷さん、またご一緒できると嬉しいです！」と、固い握手を交わしたお二人。香南市への再訪を約束しました。

「リゾートホテル 海辺の果樹園」で杉谷さんの単独インタビュー

杉谷さんと、スポる！高知の取材陣は「リゾートホテル 海辺の果樹園」へ移動。
海をバックにバーベキューなどの食事が楽しめるスペースで、サイクリングの感想や、初めて訪れた高知の印象などをお伺いしました。

高知ではどのように過ごされましたか

イオンモール高知で開催されたイベントで、陸上（リレー）のオリンピックメダリスト・高平慎士さんとトークショーに参加したり、くろしおキッズ（高知県内で未来のアスリートを育成するプログラム）の子どもたちとも触れ合いました。今日はこの後、野市東小学校（香南市）で出前授業を行い、子どもたちと一緒に給食を食べる予定です。

昨日の夜は鰹のタタキも食べましたよ。いやあ、おいしかったですね！本州で食べる鰹とは全然違って脂ものっていましたし、すごく肉厚でした。高知は自然も食も豊かで、何より人の温かさを感じました。どこにいっても温かい言葉で迎えていただき、嬉しかったですね。

香南市で市長と一緒にサイクリングを体験されてみて、いかがでしたか

香南市の海、山、自然の豊かさをたっぷり感じられて、気持ちのいいサイクリングでした。サイクリングを通してのまちおこしはもちろんですが、香南市の自然が持つポテンシャルをいかして、オリンピックディスタンスやトライアスロンなど、スポーツを通してのまちおこしもできればいいですねというお話しはさせていただきました。

濱田市長とは他にどんなお話をされましたか

子どもたちの外での遊び場が少なくなり、自然に触れる体験ができにくくなってきた今、香南市のような環境はすごく貴重ですねと、お話ししました。自然に触れて、体を動かすことで、身をもって分かることがたくさんあると思うんです。感受性も豊かになるし、コミュニケーション能力も高まります。また、香南市では、食の豊かさも非常に強みだと思います。
僕自身、体があまり大きくなかったことで、現役時代に苦労したこともあり、今の子たちには、食の大切さも伝えていきたいという思いがあります。

改めて子どもたちに伝えたいことはありますか

外に出て、たくさんの方に出会おうよ。出会いの中にこそ発見があるんだよ、ということを伝えたいです。また、自分たち大人がそういう場を作ったり、伝えていく機会を増やすことも大切だと思います。

現役を引退後、スポーツを通じた教育や地域振興などを目的に、自身の会社「株式会社ＺＥＮＳＨＩＮCONNECT」を設立。日本全国、時には海外を飛び回り、まさに“前進”を続けている杉谷拳士さん。今回の来高では、そんな杉谷さんの言葉に、高知の子どもたちも大きな学びとパワーをもらえたようです。
ぜひまた高知での活動を、期待しています！

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