牧野富太郎博士が愛した神秘の山に触れるトレッキングツアー
日本を代表する植物学者であり、世界にもその名を知られる牧野富太郎博士。博士の生まれ故郷・高知県でゆかりの地を巡りませんか。国内外から注目される「牧野植物園」や、 博士の研究のフィールドにもなった「横倉山」でのトレッキング、さらに高知の定番観光 スポットも楽しむ1泊2日の宿泊プランをご紹介します。
目次
DAY1
博士の歴史と愛した植物たちに出会う「牧野植物園」
高知龍馬空港から東部自動車道を経由し車で約25分。四国霊場第31番札所の「五台山竹林寺」や、高知の街を見渡す展望テラスがある五台山に「高知県立牧野植物園」があります。 牧野植物園は「日本の植物分類学の父」といわれた牧野富太郎博士の功績を広く伝えるため、1958年に開園しました。自然環境に恵まれた五台山は、博士が青年期に訪れていた山でもあります。また植物園建設計画の際、「植物園をつくるなら五台山がいい」と博士が希望したことからこの地が選ばれました。
自然生態系が築かれ、博士ゆかりの野生植物をはじめとする3,000種類以上の植物に出会える 牧野植物園。研究・教育普及の場として、また人々の憩いの場として親しまれており、県内外から多くの人が訪れます。
約8haにも及ぶ広大な園は、五台山の自然に調和するよう起伏を活かして設計されています。見どころはたくさんありますが、博士の生涯を展示する「牧野富太郎記念館(本館・展示館)」、多種多様な植物が植栽された南園の50周年記念庭園、熱帯さながらの温室などが人気で、ゆっくりと敷地内を歩きながら四季折々の自然に触れられます。 さらに北園には近年、展望台を併設した「こんこん山広場」や、五感で植物に親しめる「ふ むふむ広場」がオープンし、家族連れで賑わっています。これらの広場は飲食可能なので、青空の下ピクニックを楽しむのもいいでしょう。
コンパクトに主要スポットを巡るなら所要時間はおよそ1時間半。もちろん、牧野富太郎記念館で建築美に触れたり、併設されたレストランやショップ、カフェで休憩したりと、時間をかけて園を満喫するのもおすすめです。博士の足跡を辿りながら過ごしていたら、あっという間に時間が経ってしまいます。
ここからは、牧野富太郎記念館展示館とこんこん山広場の詳しいご紹介です。
まずは牧野富太郎記念館展示館。常設展示では、94年にわたる博士の生涯を記録や写真で紹介しています。また4K映像作品をご覧いただけるシアターも新設。高精細な映像で植物の世界を見ることができます。ここでしか見ることのできない、牧野植物園オリジナル作品をお楽しみください。
次はこんこん山広場です。 博士が東京都練馬区の自宅で植えていたオオカンザクラやヘラノキなどを植栽した「芝生エリア」、台湾産ツツジ属を中心に植栽している「台湾産ツツジ属植物エリア」、季節ごとの草花を一面に楽しめ る「草原エリア」の3つのエリアからなっています。
高さ約4mの展望台もあり、温室のある南園や隣接する「五台山竹林寺」の五重塔、さらには太平洋まで望むことのできる眺望抜群のビュースポットになっています。
一年を通じてさまざまな展示やイベントも開催されている「牧野植物園」。四季折々の植物に溢れ、どの季節に訪れても楽しむことができます。
高知のグルメが大集合「ひろめ市場」
高知市中心部にある商店街「帯屋町アーケード」を西に抜けた先、高知城のお膝元にあるのが高知名物の屋内市場「ひろめ市場」です。 かつて一帯には土佐藩主家老の屋敷がありました。屋敷がなくなった維新後も、周辺は親 しみを込めて「弘人屋敷(ひろめやしき)」と呼ばれていたことからこの名が付けられたといわれています。
ひろめ市場は8つのブロックからなっており、鮮魚店、精肉店、飲食店から、みやげものや雑貨店まで、個性豊かな50以上のお店が集まっています。日中から営業しているお店が多いので、昼呑みを楽しむ人もたくさんいます。
専用のイートインスペースを設けている店もありますが、基本的に市場内では自分の好きなものを好きな店で買ってずらりと並べられたテーブルとイスで自由に食事を楽しむ、 いわばフードコートのようなスタイルになっています。高知ならではの鰹のたたきや屋台餃子、また独特の珍味などたくさんのご当地グルメが揃っており、目移りしてしまいます。観光客の方が高知県民に話しかけられ、一緒に楽しい時間を過ごすのがおきまりの光景です。
高知市で宿泊!
高知市内にはビジネスホテルやリーズナブルなゲストハウスもありますが、高知の歴史を感じることができる老舗旅館が点在しています。
城西館
2023年に149年を迎える歴史ある老舗旅館。これまで皇族の方々や各界名士の方々など、多くのお客様をお迎えしてきた宿として今も変わらぬおもてなしの心でお客様をお迎えしています。館内では、県産の食材を使用した四季折々のお食事をお楽しみいただける他、最上階にある「城見櫓」から高知城のライトアップをお楽しみいただいたり、鰹のわら焼きたたき実演見学などもおすすめです。また、「高知が10倍楽しくなる旅」をコンセプトに、ディープな高知を体験できる商品もご用意しています。
三翠園
山内容堂ゆかりの地であり、山内家に仕える武士たちが住まいとした地でもある鷹匠町に建っています。近くには山内神社や坂本龍馬が泳いだといわれる鏡川があり、土佐の歴史を伝える美しい日本庭園や良質な温泉も人気です。車いすの方でも快適に過ごせる部屋や寝心地を追求したベッドなどさまざまなスタイルに寄り添った客室が用意されています。
土佐御苑
「高知を訪れる全ての方々にまちの魅力を感じてもらい、高知を好きになってもらいたい」そんな思いを胸におもてなしに努めている宿です。全国旅館100選連続入選中というおいしい郷土料理も旅の楽しみ。各観光スポットが徒歩圏内という立地の良さも魅力 です。
DAY2
横倉山トレッキングツアー
前日に感じた牧野博士の熱意を胸に、ルーツをたどってみます。
高知駅から車で西へ約1時間。いの町、日高村、そして牧野富太郎博士の生まれ故郷である佐川町を過ぎた先の越知町に、博士の研究の場でもあった「横倉山」があります。もともとは赤道近くのサンゴ礁を伴う小さな大陸であり、長い年月をかけて移動し、その後の断層運動に伴って隆起と侵食を受けて現在の姿になったといわれています。
この横倉山では、それまでの日本の地質学で最も古い時代とされてきた3億年より、更に1億年更新する4億年以上前の「コノドント」と呼ばれる化石が見つかったのをはじめ、クサリサンゴやハチノスサンゴ、ウミユリなど海の生き物の化石が多く発見されています。
また日本で唯一の”アカガシの原生林”が残る山であり、世界的にも珍しいコオロギランなどの貴重な種類を含む1,300種類もの植物が自生する植物の宝庫としても知られています。
地質学的にも植物学的にも大変貴重な横倉山にすっかり魅せられた牧野富太郎博士は、この山で植物の採集、写生、観察などの研究を続け、後に30種類の植物を新種として発表します。
博士によって横倉山で発見・命名された新種は、「ヨコグラツクバネ」「ヨコグラノキ」など四国のみに分布するものや、絶滅が危惧される貴重な植物などが含まれています。なかでも「トサジョウロウホトトギス」は高知県のみに分布する大変貴重な固有種となっています。
このように様々な魅力にあふれる横倉山を、植物や山の地質、また歴史を含めた専門的な知識を持つガイドに案内してもらいながら歩いてみましょう。
国道沿いにある「観光物産館おち駅」内にある越知町観光協会では、トレッキングガイドが案内する「〜さぁ、トレッキング!神秘の山に触れるツアー〜」が体験できます。
標高800メートルで起伏のなだらかな横倉山は、主に頂上を目指して山を登る「登山」とは異なり、ゆっくりと自然を感じながら歩みを進める「トレッキング」という言葉がぴったり。途中でたくさんの植物と出合うことができ、四季の風景を楽しむことができます。
トレッキングツアーは3時間コースと5時間コースの2つ。ガイドと歩きより深く横倉山を知ることで、自分たちだけでは気づけない景色が見えてくることでしょう。実は横倉山には、壇ノ浦の戦いで入水したとされる安徳天皇が密かに脱して難を逃れ、平家落人と共に横倉山にたどりつき密かに生活していたという伝説が残っています。宮内庁所管地である安徳天皇陵墓参考地や横倉宮などの史跡めぐりもツアーに含まれており、こうした歴史的ロマンの魅力も横倉山が神秘的といわれる理由です。
植物を愛し、そして植物にも愛された牧野富太郎博士が夢中になった横倉山で、自然の神秘に触れてみてください。
横倉山トレッキングツアー
料金:一名/3時間コース 3,000円、5時間コース4,000円
小学生未満は大人料金の半額(小学生未満は保護者同伴に限る)
催行可能人数:3~30名
HP/http://ochi-kankou.jp/asobu/mtyoko/mtyoko.html
越知町のよりみちスポット
越知町でのお食事、お土産の購入ができるスポットをご紹介。
オリジナルコロッケがおいしいお肉屋さんに、幅広いメニューが揃うお食事処。
かわの駅では特産品だけでなく、スノーピークグッズも販売しています。
松田精肉店
住所/高知県高岡郡越知町越知甲1737-6
電話番号/0889-26-3333
営業時間/9:00〜19:00(水曜定休日)
居食屋かどた
住所/高知県高岡郡越知町越知丁甲1737-2
電話番号/0889-26-0241
営業時間/11:00〜14:00、17:00〜22:00(金・土・日は〜23:00)
スノーピークかわの駅おち
住所/高知県高岡郡越知町越知丙625番地4
電話番号/0889-20-9666
営業時間/9:00-17:00(水曜定休日)
施設紹介
高知県立牧野植物園
住所/高知県高知市五台山4200-6
電話番号/088-882-2601
開園時間/9:00~17:00(最終入園16:30)
休園日/年末年始(12月27日~1月1日)
※メンテナンス休園日についてはHPをご覧ください
入園料/一般 730円(高校生以下無料)団体 630円(20名以上)
年間入園券2930円(1年間有効のフリーパス)
※夜間入園料や割引についてはHPをご覧ください
駐車場/あり
HP/https://www.makino.or.jp
ひろめ市場
住所/高知県高知市帯屋町二丁目3-1
電話番号/088-822-5287
営業時間/10:00~23:00(日曜は9:00~)
定休日/不定休
駐車場/あり
城西館
住所/高知県高知市上町2-5-34
電話番号/088-875-0111
営業時間/チェックイン15:00、チェックアウト10:00
定休日/無休
駐車場/あり
三翠園
住所/高知県高知市鷹匠町1-3-35
電話番号/088-822-0131
営業時間/チェックイン15:00、チェックアウト10:00
定休日/無休
駐車場/あり
土佐御苑
住所/高知県高知市大川筋1丁目4-8
電話番号/088-822-4491
営業時間/チェックイン15:00、チェックアウト10:00
定休日/無休
駐車場/あり
越知町観光協会(観光物産館おち駅内)
住所/高知県高岡郡越知町越知甲1736-7
電話番号/0889-26-1004
営業時間/8:30~17:00(土日祝日は9:00~)
HP/https://ochi-kankou.jp/