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プロダンスチーム「セプテーニ ラプチャーズ」が高知で心の修行を体験

プロダンスチーム「セプテーニ ラプチャーズ」が高知で心の修行を体験

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日本発のダンスのプロリーグD.LEAGUE(ディーリーグ)で活躍中の、「SEPTENI RAPTURES (セプテーニ ラプチャーズ)」のメンバーに高知を訪れていただきました。学校やダンススタジオでのワークショップ、イベント出演等の活動の中から、四万十町「岩本寺」での修行体験と、初めての「カツオ藁焼き」体験の様子をお伝えします。

「セプテーニ ラプチャーズ」とは

「SEPTENI RAPTURES (セプテーニ ラプチャーズ)」とはD.LEAGUEのオフィシャルチーム。“Be The One”を合言葉に、それぞれの個性を共鳴させあらゆるジャンルの表現を高次元に昇華させるフリースタイルダンスチームとして2020年に結成されました。

Dリーグオフィシャルチームサイト:https://home.dleague.co.jp/teams/tqog/
Instagram:https://www.instagram.com/septeniraptures/

メンバーの中から、「いっとん」「TORA」「Haruto」 「eigh10」「MiYU」「AGEHA」「さくら」「AYUMI」の8人が体験に参加。岩本寺では4人ずつ2組に分かれて、それぞれ「坐禅」と「写経」に挑戦。身体で表現するダンスとは異なる心の修行でどのようなことを感じたのでしょうか?

心の修行場所「岩本寺」

四国八十八箇所霊場の第三十七番札所として多くのお遍路さんが訪れる岩本寺。
階段には英語が記され山門にはポップアート、キャンプやサウナの利用も可能な観光名所としても有名なお寺です。

今回の修行内容

メンバーが体験する「禅」は坐禅と写経の2種類。「坐禅」とは正しい姿勢で坐り、精神を統一させることで自分と向き合う仏教の修行方法のひとつ。「写経」とはお経を一字一字書き写していくことで雑念を払う修行。一般的には300文字程度の般若心経をお手本とすることが多いそうです。

一瞬一瞬に意識を向ける「坐禅体験」

坐禅を教えてくれる住職はアメリカのお寺で10年間布教活動をした経験を持つ四万十町の「願成寺」の伊藤副住職。

「禅とは一瞬一瞬に意識を向けることなわけです。必ずしもお寺で座禅をしていることが禅ではなくて、全ての行いに意識を向けることが禅。皆さんがダンスに意識を向けている瞬間も禅としての一つのスタイルです」と語ってくれました。

体験するメンバーはTORAさん、eigh10さん、MiYUさん、AGEHAさんの4名。

4人は副住職から坐禅との向き合い方を教わります。

「坐禅と聞くと、何も考えずに無になることと思われがちですが、無になろうと意識をすればそれは無ではありません」

なぞなぞのような言葉に4人は混乱している様子で頷きが止まります。

「大切なのは心を落ち着かせて、湧き上がってきた感情を受け流すことです」と諭す副住職。

続いて座り方の説明が行われます。「ポイントは、両膝とお尻の3点で身体を支えてあげること」手は親指の先と先を合わせて円をつくり、足はあぐらを組みそれぞれ反対の足の太ももにつま先を乗せるのが正しい座り方だそうです。見本を見せる住職にならって4人も挑戦しますが、両足のつま先を太ももに乗せる行為に苦労しています。

実際は多くの方が初めてでは出来ないそうで、丸い座布団のような座蒲(ざふ)を用意してくださいます。

(写真 左から2人目:TORAさん)

ミゲルと名前のついた人体骨格模型で正しい姿勢を説明します。TORAさんはこのミゲルの動きがツボに入ったようで笑いが止まりません。「フォーカスしないで、セルフコントロール。こういうのにも耐えるのがセルフコントロールだよ」副住職の厳しい声が響きます。

なんとか心の落ち着きを取り戻した4人、その後は室内に雨音だけが響きます。

「はい。いいですよ。目を開けて」1時間ほどの坐禅を終えた4人に、副住職がご自身の体験を伝えてくれます。
「アメリカでは皆がお金を払ってでも坐禅をしにきます。それは皆が自分で自分を変えたいから。だったら坐禅ができる機会を多く作ることが大事なのではないかと思い、私はカジュアルな坐禅をおすすめしていました」。

アメリカでの経験を経た副住職は「1日3分でも5分でもいいから自分を落ち着かせるために座禅をする時間を作る。セルフコントロールの機会として皆さんが自分の為に坐禅をすることが大切」と言います。これには4人も大きくうなずいていました。

(写真 左:eigh10さん 右:TORAさん)

eigh10さん:「お寺で何かをやったことがなくて、今まで自分になかった新しい体験が出来たのもよかったですし、心を落ち着かせるのも大事だなって改めて思いました」。

TORAさん:「みんな東京でハードワークしてて静かなことを感じることが少なくて、雨の音だったり、あっ今鳥が鳴いたなとかいうことに意識が向く瞬間が少ないので、そういうことを感じれたのが既に新しい経験でした。雨の日って気分どんよりしちゃうことが多いじゃないですか、でもさっきの瞬間は雨の音も心地よくて、雨っていいなって思えました」。

(写真 左:MiYUさん 右:AGEHAさん)

MiYUさん:「無になろうとはしなくて、考えるのも考えないのもその時の流れにまかせてました。自然の音の中でやってみて呼吸が綺麗になったなっていうシンプルな感想なんですけど、でもそれが凄い良かったなって思ってます」

AGEHAさん:「初めて体験してみて印象が大きく変わりました。やっぱり厳しいイメージもあったので。私生活にも取り入れられるようないいことを教えてもらえて。仕事柄、音がない環境が少ないのでなんか凄く心が綺麗になった気がします。普段からやってみたいなって思えました」

“今回の体験がこれからのダンス活動に影響しますか?”という質問には、

eigh10さん:「パフォーマンスをする前に心を落ち着つかせて挑むってのはすごい大事だと思ってて、自分もこうする(セルフコントロール)べきと思いましたね。ダンスにも凄く必要な部分だと思います」。

TORAさん:「坐禅は自分の中に意識が戻ってくる感覚もあったので、集中するって意味で本番前にするのもいいのかなって思ったり、でも本番前ってグヮーってテンションを上げてることも多いので、逆に落ち着かせるために終わってからするのもいいのかなって思ったり。Dリーグってすごいスケジュールもタイトで、それを勢いだけでいっちゃうと集中しきれてなかったりすることもあるので、落ち着かせるために皆でうまく取り入れれるとチームとして強くなれるかも知れない」とチーム全体への影響も考えられていました。

MiYUさん:「一回考えることをやめて自分と向き合うことは必要だと思うので、自分の場合は息苦しいなって感じた時に外とかで(坐禅をやって)自分の世界に入り込めるとスッキリすのかなと思いました」

AGEHAさん:「本番前に緊張して上がりやすいタイプなので、これをやることで落ち着けそうな気がしました。今までは1人でスマホを見てる時間が落ち着けてるのかと思ってたけど、何も持たずに座って目を閉じるだけで整う気がするので、やってみるのもいいかなって思ってます」

皆さんそれぞれ心のなかで感じ取られたようです。

心を鍛える写経体験

いっとんさん、Harutoさん、さくらさん、AYUMIさんの4人は、写経を体験する準備中。

担当の方が用紙を配りながら、「写経は上手下手とかではないから、一生懸命書き上げる。ちゃんと書き上げることが大事」と説明してくれます。

いっとんさん:「実は以前からやってみたかったんですよね。目指せ5枚。集中も大事!」

さくらさん:「もともと習字をやってて字を書くのは好きで、久しぶりに集中して文字を書くので楽しみです」

AYUMIさん:「A型なので、一文字一文字綺麗に書けると思います。書きます!」と宣言してくれました。

Harutoさん:「全部の文字の意味を考えながら一文字一文字書こうと思ってます」

皆さん意気込み十分です。

ここからは皆さん集中して無言の時間が流れます。黙々と書き続けたり、時には他の方の進み具合を気にしたりとそれぞれです。

1枚目を書き終えたいっとんさん「めっちゃ楽しい。ドハマリ。文字って気持ちがでるなー。集中できていないときは身体も動いているし文字もブレる」早くも気づきがあったようです。

1時間しっかり写経と向き合いました。

いっとんさん:「めちゃくちゃ楽しかったですね。でも字を舐めてました、出だし失敗したから自分の人生みたいだと思ったし、字の終わりが雑だからやってることの終わり方も雑なんだろうなと思っちゃったり、斜め上に書いちゃうことが多いんで調子に乗りやすいんだろうなとか、字から学ぶことは多かったですね。いやぁでも集中力なさすぎだな」

さくらさん:「楽しかったですね!こんなに集中して字を書くのは人生で初めてです。きれいに書けると嬉しいですね。これから習字やります」

Harutoさん:「途中意識失ってました。でも手は動いていたので、無の境地の更に奥でしたね」

AYUMIさん:「1時間かけてめっちゃ丁寧にかきました。手が腱鞘炎になりそう。字の払いや止めも難しかったし、知らない漢字も沢山ありました。そして”空”という字が滲んじゃいました。今日の雨の空みたいですね」。

最後の感想にふさわしく見事に落ちをつけてくれました。

岩本寺では、書き終わった写経の奉納を受け付けていますし、持って帰っても大丈夫だそうです。

再び合流した8名はお寺の境内を散策したあと、移動して高知市内にある食事処「かつお船」に移動します。

カツオの藁焼き体験

船の形をした外観が特徴的なお店「かつお船」では、カツオの藁焼き作りが体験できる「土佐タタキ道場」や、カツオのたたきをつかった様々なメニューが味わえる食事処「くじらのいっぷく」、カラフルなあんこのお菓子が自慢のカフェ「かしこ」などを併設しています。高知の物産品がそろうお土産物売り場もあり、団体でのご利用も可能な食事処も備えた観光客にも人気のドライブインレストランです。

到着したメンバーは早速、複数人でカツオの藁焼き体験ができる「団体用 土佐カツオ道場」で初めての藁焼き体験です。

乾燥した藁から頭の高さ以上の大きな炎が燃え上がり、メンバー全員から驚きの声が出ます。1分半ほどで表面の色が変わって焼き上がりです。

焼き上がったカツオの香ばしい香りに思わず「めちゃくちゃいい匂い!」「このまま豪快にかぶりつきたいね」と声があがります。

自分で焼いたカツオの藁焼きにまずは塩とわさびのみで一口。「うんまい!」「香りがヤバい」「ガチで美味い」と絶賛が続きます。

続いて、ゆずとポン酢でできた特製ダレをかけたカツオにねぎと玉ねぎ・にんにくのスライスを添えて。「これも美味しい」「ゆずの香りがヤバい!」「幸せ」とテンション上がりまくりです。

皆さんあっという間に完食。初めてのカツオの藁焼き体験を堪能していただけたようです。

高知を振り返って

三日間の高知滞在を振り返っての感想は、「一番印象に残ってるのはワークショップ。特に小学生のワークショップの皆が可愛すぎて!終始癒やされ過ぎて楽しかったです」とMiYUさん。Harutoさんは「観光にも行かせてもらって、印象的だったのは桂浜、特に龍馬像は教科書でも見てたから、本物じゃん!って。綺麗でしたね」。

最後にメンバー全員を代表していっとんさんから「ラプチャーズのサポーターの皆さん、そしてスポる高知をご覧の皆様、ぜひ高知に遊びに来てください」。とのメッセージを頂きました。

現在、D.LEAGEにて熱い戦いの真っ最中セプテーニ ラプチャーズ。
皆さんもぜひチェックし、応援してみてください。(2022年12月現在)

施設情報

37番札所岩本寺

住所/高知県高岡郡四万十町茂串町3-13
電話番号/0880-22-0376

かつお船

住所/高知県高知市仁井田201-2
電話番号/0120-119-213
営業時間/10:00~16:00
HP/https://www.tataki.co.jp/