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「スポる!やってみた。〜冬キャンプ編〜」

「スポる!やってみた。〜冬キャンプ編〜」

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「スポる!やってみた。」とは、高知のネイチャースポーツ、アクティビティを実際に体験して、体験者目線で魅力をお伝えする企画です。 
 今回体験していただくのは、高知県出身で外遊び大好き、趣味は釣りの長野さん。温暖な気候の高知県で春から秋までは様々な外遊びに挑戦してきた長野さんに、初めての冬キャンプご自身の目線でレポートいただきました。

はじめに

高知県では4月から10月頃までテント泊でのキャンプが可能で、特に夏場は設備が整ったキャンプ場はもちろん、河川敷でも多くの方がバーベキューやキャンプなどのアウトドアを楽しんでいます。暖かい時期のイメージが強いキャンプですが、冬でも快適にテント泊が可能なのはご存知でしょうか? 冬キャンプのエキスパートと共に初めての冬キャンプに挑戦します。

場所

キャンプを行うのは、高知駅から車で1時間30分ほど、高知県越知町の仁淀川支流のテント泊が可能な河原。冬キャンプ経験者の同行を伴わない冬キャンプにデビューされる方は、冬キャンプに必要なアイテムがレンタル可能な管理人常駐のキャンプ施設、または電源が確保されたサイトで暖房器具などの使用が可能なオートキャンプ場をおすすめします。

体験

冬キャンプに挑戦した12月初旬は、温暖な高知県でも山間部では積雪があったり、夜間には気温がマイナスを記録する場所もあります。体験当日は夜間の最低気温が2℃の予報。高知県民にとっては寒すぎる環境でテントの設営を行う長野さん(写真左)に体験前の心境を伺ってみました。

「冬キャンプ?正直やりたくないです 笑 寒いのは苦手ですし、川の近くで冷たい風も吹くだろうし、地面が石なのできっと底冷えも凄いだろうし、ポジティブな要素はないです。唯一の救いは冬キャンプの経験が豊富な森本さんの助けを得られることです」。とやや・・・いや、だいぶ消極的な様子です。

共通の趣味である釣りを通して繋がりのある森本さん(写真右)は、一年を通して登山やキャンプを楽しみ、冬山の登山や冬キャンプの経験が豊富なキャンプの達人。今回の企画に助っ人として参加してくれました。冬キャンプにおすすめキャンプメニューも準備してくれて、頼もしい限りです。

「冬でもテント泊でキャンプをするというと皆さん驚かれるんですけど、意外と大丈夫ですよ。テントの中でストーブを焚くので部屋のように暖かい空間で過ごせて快適です。ポイントを抑えた寒さ対策をしていれば問題ないし、虫がいなくて僕は好きです。」

更に抑えておきたいポイントを聞いてみました。

「電確の確保もできない自然のなかでキャンプを行う場合、やはりストーブは必需品ですし、ストーブが使用可能なテントも必要です。難燃性が高く、換気ができるように空気の入れ替えができるベンチレーションと、足元の隙間風が防げるスカートの付いているものがマストです。また、予想以上に気温が下がることもあるので防寒対策の服装やブランケットは多めに持ってきておくことです。テント内は暖かくなりますが、暑くなれば脱げばいいだけなので足りなくなることがないように準備しておくのは大切です。」

それでは準備スタートです。まずはテントを組み立てます。

水面よりはある程度高い位置の、平らな位置に設営します。特に夏場の山間部などではゲリラ豪雨などの影響による急激な増水で、テントが流される危険性があります。水面から距離を保ってすぐに避難できる位置にテントを設営することが河原におけるテント泊の基本になります。

二人で協力して約10分程で設営が完了しました。
次にテーブル、イス、食料などを運び込みます。ここまでは通常のテント泊と同じです。

最後に、テント内の安全な位置に設置したストーブに着火します。

初冬ということもあり小型のストーブに少し不安そうな長野さん。

「これ一台だけで大丈夫なんですか?テントの中とはいえ冬の屋外ですよ。」

「そう思うでしょ?意外と大丈夫ですから。」

長野さんを安心させながら手際よく夕食の準備を始める森本さん。
「まずはパスタにしますね。」

音楽の流れるテント内で、パスタの材料をリズムよく包丁でカットしていきます。

ストーブの熱で徐々にテント内が暖まってきました。
「意外と暖かくなるね。」

「そうでしょ。パスタ、すぐできますよ。」

フライパンで熱したオリーブオイルに茹で上がったパスタと材料を絡めると、あっという間に一品目が完成。森本さん持参の自家製トマトソースに、辛子明太子を加えたトマト明太チーズパスタです。

「めちゃめちゃ美味しいんですけど!辛子明太子のピリ辛で身体も温まるし。」

一品目のメニューを食べ終える頃にはテント内もすっかり暖かくなり、冬場の屋外だということを感じなくなっていました。

「心配してた寒さも大丈夫。小さいストーブ一つでも大丈夫なんやね。」

「一旦、石窯ピザ準備しますね」

またまた慣れた手付きで石を積み上げてあっという間にピザ窯の完成です。

暖かいテント内に戻ると、あっという間に二品目のパクチー坦々ごまパスタが出来上がってきました。

「これまた美味しい!組み合わせが斬新。BGMも心地よいし、テント内も快適でちょっと幸せを感じ始めてます 笑。例えるなら冬の寒い室内で布団にくるまって、布団から出ている顔だけが少し涼しくて気持ちいい状況と同じです。」

なかなか具体的な例えです。共感できる方はいらっしゃいますでしょうか?

「最後、石窯ピザ焼きましょうか!」

薪の火力によって温められた石の熱で一瞬で熱々のピザが焼き上がりました。

「これは美味しくないわけがないよね!これも夏に食べるより冬に食べたほうが絶対美味しいね。」
冬キャンプの食事にすっかり大満足の様子の長野さん。

出来たてアツアツの料理が、より美味しく食べられる。冬キャンプの魅力のひとつでしょうか。

ストーブの上で温めていたお湯でコーヒーを淹れて、とても美味しかった夕食の余韻に浸ったあとは、もうひとつの冬キャンプの魅力である焚き火です。

「この寒い中、焚き火で暖まるの最高なんですよ。」と普段から焚き火を楽しんでいる森本さん。
揺れる炎を見てリラックスした一日の終り、見上げた先には冬の澄んだ空に輝く満点の星空。

「いやー、冬キャンプって最高やね!」当初のローテンションは何処へ・・・。大満足の長野さん。
冬キャンプの魅力を存分に味わって就寝の準備です。

就寝にあたって、森本さんに冬キャンプでの睡眠についてお聞きしました。
「キャンプをする環境の気温に耐えうる寝袋を使用することはもちろんですが、冬場は朝方に一気に気温が下がって寒くなるので、寝る段階では暖かすぎるかなと思うくらいでちょうど良いです。地面でも、コットと呼ばれる簡易ベッドを使用するときでも、寝袋の下に断熱性のシートを敷いて熱が逃げていかないように対策することも重要です。あと僕は服装と同じ要領で寝袋の重ね着もします。」

夜中の寒さにドキドキしながらも、この日は朝までぐっすり就寝できました。


「寒さは思ってたより大丈夫でした。不安だったので薄手のダウンジャケット着た状態でダウンの寝袋の中に入って寝てたら、朝までぐっすりと眠れました。」

万全の備えで眠った長野さんに対して、森本さんは薄手の服装に中綿の寝袋のみで朝を迎えてました。

恐るべし達人。

最後に

トーストと淹れたてのコーヒーの朝食を美味しく頂いて、初めての冬キャンプ体験は終了です。長野さんに感想を伺ってみました。
「今回は森本さんの助けがあったからですが、ちゃんと備えをすれば快適に過ごすことが可能ということがわかりました。冬だからこそのメニューで出来たての料理がより美味しくなることも知ったし、冷たく澄んだ空気の中、焚き火で暖をとりながら星空を見る時間は最高でした。冬キャンプの印象が変わりましたね。僕が森本さんから冬キャンプの魅力を教えてもらったように、僕も誰かに伝えられるようになりたいです。」

冬の楽しみ方も知ることが出来るとアウトドアライフがより豊かになりますね。以上「スポる!やってみた。〜冬キャンプ編〜」でした。

冬場のテント泊キャンプは油断をすると命の危険に関わります。冒頭でお伝えしたように、初めて体験される方は防寒対策が可能な設備のある安全な環境で初めての冬キャンプを挑戦してみてください。