室戸ユネスコ世界ジオパーク「海」と「大地」で学ぶ2日間
四国の東端にあり日本八景にも数えられる「室戸岬」を中心として年月を重ねて形成された雄大な海と大地に、あなたの心を解放する時間。
目次
DAY1
イルカと触れ合える室戸ドルフィンセンター
高知龍馬空港から車で約1時間25分。
高知県東部に位置し、V字形に突出していて右も左も海に囲まれているのが室戸市。そんな室戸市には、日本で5例目に認定された世界ジオパークである「室戸ユネスコ世界ジオパーク」や、国内で初めての海洋深層水の取水施設が存在するなど、昔も今も海と繋がる街として知られています。なかでも貴重な体験ができる人気の施設が「室戸ドルフィンセンター」。
イルカ触れ合う様々な体験が可能で、ウェットスーツやマリンシューズを着用して海の中でイルカと一緒に泳げる「ドルフィンスイム」や、プールサイドから餌をあげたり触ったりできる「餌やり体験」、ちょっとだけイルカに触ってみたいという人におすすめの「ドルフィンタッチ」など泳ぎに自信がない人でも気軽に楽しむことができます。
取材時には2頭のバンドウイルカがお出迎えしてくれました。マイペースに泳いでいますが、声をかけながらカメラを向けるとまるで人間の言葉がわかるかのようにポーズをとってくれる、ツンデレなハルくん。トレーナーさんにべったりな甘えん坊のトシちゃん。それぞれのかわいさに取材陣も悶絶。
顔と顔をくっつけてくれたり、ハルくんとトシちゃんのチューを見せてくれたり、お別れの時にはバイバイと手まで振ってくれました。
イルカたちのあまりのかわいさと想像以上の癒しオーラに、すっかり虜になってしまいます。ドルフィンセンター入り口にある看板の「イルカと遊ぶ それは健康と美容の秘訣」に心から納得できた時間でした。きっと訪れた皆さんもこの言葉の意味を体感することができると思います!
プールのそばにはさまざまなデザインの手持ちフォトフレームがあります。お気に入りを選んで訪れた記念に1枚。
室戸ドルフィンセンター内にはオリジナルポストカードや、かわいい海の生き物グッズ、またハズレなしでイルカのぬいぐるみが当たるスピードくじ(有料)などおみやげも豊富です。
地球の歴史と記憶を感じるジオパークウォーキング
イルカたちに癒やされたあとに訪れるのは「室戸世界ジオパークセンター」。
そもそもジオパークって何?という疑問や、ジオパークの楽しみ方、自然の中で生かされている私達の生活まで、様々なことを知り、考えるきっかけを与えてくれる場所です。
センター内では大迫力の映像とたくさんの資料でジオパークを生成する大地のなりたちが紹介されているだけでなく、実際に日々その地で暮らす室戸の方々の暮らしなども紹介されています。
また、ジオパークや室戸の地域に関する写真展や講演会が定期的に行われていたり、ジオパークを楽しむためのユニークなツアーも行われています。訪れる際にはぜひ同時に公式ホームページをご確認いただき、イベントも一緒に楽しんでみてください。
ジオパークについて学んだら、実際のフィールドを訪れて大自然の魅力と不思議を全身に感じてみます。
おすすめは、室戸世界ジオパークセンターから車で10分のところにある室戸岬。岬の最先端にある中岡慎太郎像から室戸青年大師像までを結び、室戸岬の東側に位置する約2.6kmの乱礁遊歩道(らんしょうゆうほどう)。海岸沿いに連なるコースには弘法大師 空海の修行の地として知られ、空海が悟りを開いた場所として有名な洞窟「御厨人窟(みくろど)」があります。この御厨人窟は隆起海蝕洞で、今もなお年間に数ミリずつ隆起していると言われる室戸の地域にある見どころの一つです。また乱礁遊歩道沿いではアコウやハマユウといった南国特有のめずらしい亜熱帯植物に出会うことができます。
アコウは絞殺しの木ともいわれ、他の植物や岩などに巻きついて成長し続ける樹木です。室戸岬駐車場から徒歩1分のところにあるアコウの大木は特に見応えがあり、岩肌をしっかりと抱き締めるかのように気根を張り巡らせたその姿は圧巻で、室戸の海と大地から放たれたエネルギーをぐんぐん吸収して育ったかのような大樹。まるで生命力の塊のようで、大地のエネルギーを放出するかのような迫力あるビジュアルに圧倒されます。木の肌に触れるだけでパワーを分けてもらえそうな気がします。フォトスポットとして人気です。
室戸岬は西側にも、大地の営みを感じることができる場所があります。
行当(ぎょうとう)岬周辺の海岸にある新村遊歩道。ここでは海底にあった地層が地上まで押し上げられた来たことが体感できます。数万年、数十万年ごとに泥と砂が交互に重なってできた、なんとも不思議なシマシマを形成する地層や波の化石、そしてなんと海底を生き物が歩いた跡の化石まで見ることができます。今、生きているからこそ出会える奇跡。自然が形作るジオパークでは、訪れる度に新たな発見があります。ぜひ実際にこの地を訪れ、あなたならではの魅力を見つけてみてください。
IKEAコーディネートのグランピング施設でお泊まり
ジオパークで大地の営みに触れてエネルギーをもらったあとは今夜の宿泊地へ。室戸岬から車で約10分。室戸市中央公園近くにある大自然に囲まれたグランピング施設「MUROTObase55」です。
コンテナハウス宿泊型であるこの施設、なんと宿泊できる全てのコンテナハウスが北欧スウェーデン発祥の家具メーカー「IKEA」によってコーディネートされている珍しい施設となっています。各コンテナハウスごとにそれぞれ異なったインテリアが楽しめて、どのお部屋になるかは泊まってからのお楽しみ。
宿泊施設以外のスペースにもIKEAの屋外用家具が使用されており、ありったけの空と海に囲まれた室戸で、遠く離れた異国で生まれた家具に身を預け夜空を見上げる。地球の息吹を感じたあとに眠りにつく場所としてこれ以上はないかもしれません。
施設内には宿泊者の休憩スペースや食事スペースとして利用可能な管理棟もあり、BBQセットの貸し出しや備品の販売、観光案内なども行っています。
BBQ食材セットのついた一泊二食付きプランの他、一泊三食プラン・飲み放題プラン・連泊プランと、旅のスタイルに合わせたプランが選択可能です。ペット同伴のプランもありました。また食事は持ち込み可能で、地元のスーパーなどでお好みの食材を買ってきてBBQするのもおすすめです。
ドリンクメニューも充実しており、単品での注文と、飲み放題プランもあります。
土佐備長炭を使用しためずらしい「炭ビール」もあり、パンチの効いた見た目とはうらはらに、まろやかで飲みやすい味わいがご当地人気ビールとして人気のようです。
お腹が満たされた後は、焚き火を楽しんだり、ハンモックに揺られて優しく奏でる波の音に耳をかたむけたりと、思い思いの時間を過ごすのがおすすめの楽しみ方。
DAY2
室戸広域公園でパークアクティビティを楽しもう
大きな空の下、遮るもののない朝陽を浴びて目覚めたあとは、MUROTObase55から車で約5分。広大な敷地内でさまざまなパークアクティビティが楽しめる「室戸広域公園」へ。
タコやクジラなど海の生き物がモチーフになった大型遊具のある「ちびっこ広場(通称:たこたこ公園)」には小さいお子様も楽しめる低い滑り台や、イルカやカメを模したスイング遊具が。
その奥にはよじ登ったりバランスを取りながら進んだりする木製のアスレチックがたくさん並んでいます。
道路をわたりちびっこ広場の反対側には距離の長~い「芝すべりエリア」も。備え付けのソリも置いてあるので、手ぶらで遊べます。 横幅も広く、距離もあるので滑りごたえはバツグンです!
山に囲まれたロケーションのいい公園で、室戸の大地から得たエネルギーを開放してパークアクティビティが楽しめます。
ノスタルジックな水族館へ
室戸広域公園から車で約10分。次の目的地は廃校になった小学校を水族館に改修した「むろと廃校水族館」です。
学校の建物全体が水族館となっており、校舎の雰囲気はそのままに、なつかしの用具を活用した展示がたくさん。学校らしさを活かした魅せ方で訪れる人を楽しませてくれる水族館として、県内外から多くの人が訪れる人気スポットです。
世にもめずらしい手洗い場や跳び箱の水槽で暮らすのは50種類以上1,000匹以上の魚たち。
室戸沖に仕掛けた定置網や漁網でとれた魚に加え、地元の人たちが「見たことのない魚が釣れたから」と持ってきてくれたりと、「人々の近くにいる魚」が主役になっているのも、海の街ならでは。
高知では食用としておなじみの海のギャング「ウツボ」も展示されているほか、近年問題になっている海洋ゴミも、生き物目線で見たらどんな風に見えるだろう?とあえてゴミを泳がせている水槽もある。
ユニークな展示方法で来場者を飽きさせない廃校水族館のなかでもとびきり特徴的なのが、小学校の時にみんなが泳いでいた25mプールをそのまま大きな水槽にしてしまっているところ。ウミガメやサメ、サバなど多様な魚が気持ちよく泳いでいるという、なんとも不思議な光景を見ることができます。
3F図書室にある限定フレームのプリントシール機で旅の思い出をぜひ♪
オリジナルデザイン10種類の中から4種類が選べます。
水槽以外にも、順路を進んでいくと現れるウミガメの剥製や大きなクジラの骨格標本など、アイデアとセンス溢れる展示の「むろと廃校水族館」。
下校したくなくなるノスタルジーな空間で、室戸の海に生息するたくさんの生き物の生態を学んでみてください。
室戸のおすすめグルメ
室戸に来たなら、ぜひ食べてみて欲しいキンメ丼!
室戸の切り立った地形は海底まで続いているので、水深の深い漁場が近いという特徴があります。深夜に出航して午前中に帰港、「その日獲れ」の新鮮なキンメダイを味わうことができます。
- 正式名称は「室戸キンメ丼」とする
- 室戸沖で穫れた金目鯛を使う
- ごはんに「室戸産金目鯛の照焼き」と「地魚の刺身」をのせる
- 各店独自の「金目鯛のダシ」をつける
- 具材は高知県産にこだわる
この条件をクリアしたものだけが「室戸キンメ丼」とされ、メニューとして提供することができます。
下記のキンメマップから食べれるお店をチェックしてみてください。
よりみちスポット
室戸市のおすすめ寄り道スポットをご紹介。国道55号線沿いにあるドライブインは太平洋を眺めながら室戸グルメが堪能できます。
また、明治時代の街並みを残す「吉良川」はフォトジェニックなまちあるきスポットです。
道の駅 キラメッセ室戸
住所/高知県室戸市吉良川町丙890-11
電話番号/0887-25-3500
営業時間/9:00~17:00(レストラン10:00~20:00)
(月曜定休日)
拠点施設 吉良川まちなみ館
住所/高知県室戸市吉良川町甲2200番地1
電話番号/0887-25-3670
営業時間/9:00~16:00(年末年始休館)
施設紹介
室戸ドルフィンセンター
住所/高知県室戸市室戸岬町字鯨浜6810-162
電話番号/0887-22-1245
営業時間/10:00~17:00(最終入場16:30)
定休日/10月~3月の水曜日(※祝日、冬休み、春休み期間は開演)
駐車場/あり
ご予約可能なプランなど詳細はHPをご覧ください。
HP/https://muroto.j-dc.net
室戸世界ジオパークセンター
住所/高知県室戸市室戸岬町1810-2
電話番号/0887-22-5161
営業時間/9:00~17:00
入場料/無料
駐車場/あり
HP/https://www.muroto-geo.jp
MUROTO base55
住所/高知県室戸市室津2836-2
電話番号/0887-98-7011
営業時間/9:00~17:00(土日祝、年末年始を除く)
駐車場/あり
ご予約可能なプランなど詳細はHPをご覧ください。
HP/https://www.muroto55.com
むろと廃校水族館
住所/高知県室戸市室戸岬町533-2
電話番号/0887-22-0815
営業時間/9:00~18:00(4月~9月)
9:00~17:00(10月~3月)
定休日/無休
入館料/大人(高校生以上):600円
子供(小・中学生):300円
未就学児は無料です
駐車場/あり
HP/https://www.city.muroto.kochi.jp/pages/page0343.php(室戸市HP)
室戸広域公園(管理事務所)
住所/高知県室戸市領家800
電話番号/0887-24-2630
営業時間/開園時間は季節によって異なるためHPにてご確認ください
駐車場/あり
HP/http://www.muroto-kouiki.com