もはやビアガーデン？スポーツ観戦で広がるアフター5の選択肢

平日の夕方、仕事を終えたサラリーマン2人が向かう先は、いつもの居酒屋ではない。
目指すのは、グラウンドに青空が広がる「球場」。
高知ファイティングドッグスのホームゲームで楽しむ、ちょっと特別なアフター5の過ごし方を、編集部スタッフが実際に体験してご紹介します。

仕事終わりに、球場で“飲み放題”

退勤後、目指すは球場

高知市内のオフィスを出たのは17時過ぎ。
球場飲みを楽しむために40代のサラリーマンが向かったのは、待ち合わせ場所である日本トータ野球場（旧高知市市営球場）。この日のナイターは、高知ファイティングドッグスのホームゲームだ。

彼らのお目当ては、ビール飲み放題付きの“スタジアム飲み”。

飲み放題はその場で購入OK

チームの練習は無料で見学可能で、試合は17時より入場可能。
チケットを購入し入場後、すぐに目に入るのは「飲み放題 2,500円」の案内。

この飲み放題プランは予約不要で、その場で購入できる手軽さが魅力。売り場で好きなドリンクを注文するスタイルだ。

【飲み放題ドリンクメニュー】

• 生ビール
• チューハイ
• ハイボール

何度でもおかわり自由で、ビール派にもハイボール派にも嬉しいラインナップ。

まずはグッと一杯、球場の風と共に流し込む。「旨い！」思わず口をつく感想に、居酒屋にこだわる必要はないかも…と思えてくるほど。まるでビアガーデンのようだ。

地元スーパーの惣菜が、つまみの主役

この球場では、地元スーパー「エースワン」の惣菜が購入できるのもポイント。
ボリューム満点の手作りおにぎりセット、香ばしさがクセになるカレー風味の焼きそば、フライドポテトやたこ焼きなどの定番メニューに加え、スナック菓子やポップコーンも揃っており、いつもの居酒屋とは違った“お祭り感”が楽しめる。

【主なフード例】

• 手作りおにぎりセット
• カレー風味焼きそば
• 海老カツドッグ
• たこ焼き
• フライドポテト
• いも天 など

2人の間に空いた1人分のスペースが、この日のテーブル。

買ってきた惣菜を並べ、さながら“自分たちだけのビアガーデン”がスタートした。

18:00〜｜プレイボール。飲んで観て、くつろぐ時間

プレイボールの時刻。スタンドには続々と観客が集まり始める。
応援グッズを手にした親子、ユニフォームを着た男性、望遠レンズのカメラを構える女性など、思い思いのスタイルで試合を見守る姿が印象的だ。

この時点で、すでに2杯目に突入。
青空の開放感、心地よい風、日差しが斜めにさすグラウンド。まさにアフター5にぴったりの空間だ。

選手の名前やチームの戦術に詳しくなくても、野球のルールはなんとなくわかる世代。
スタンドの声援をBGMに、仕事の話や近況報告をしながら、ただ試合を観る。そこにはゆったりとした時間が流れる。

高知ファイティングドッグス流ナイターの楽しみ方

おすすめの観戦スタイル

ビアガーデン気分が味わえるうえに、特別な準備が不要なのもこのスタイルの魅力。
寒さ対策の必要がないこれからの季節は、仕事帰りに手ぶらで直行できる気軽さがありがたい。

観客席は全席自由席。どこに座ってもOKだが、ビアガーデン気分を満喫したいなら、ホーム側1塁側スタンドの奥がおすすめ。
バックネット裏は応援の熱量が高く人も多いが、1塁側奥は比較的空いていて、のんびりと観戦・飲食が楽しめる。

なお、野球場ならではの注意点として、ファウルボールの飛来があるため、ネット裏などボールの飛んでこないエリアに座るのが安心。

手ぶらで楽しめる「BBQ観戦席」

より特別な観戦体験を求めるなら、事前予約制の「BBQテラスプラン」もおすすめ。
スタンドの一角に設けられた専用エリアには、BBQの食材やドリンクがすべて用意され、オプションで専用の生ビールサーバーを設置することもできる。

1組8〜18名まで利用可能で、企業の打ち上げやグループ観戦にもってこいだ。
※1試合につき2組限定・完全予約制
詳細は公式ホームページより：https://www.kochi-fd.com/game/stadium/bbq.html

イニング間も楽しめる！観客参加型のイベント

試合中も観客を飽きさせないのが、高知ファイティングドッグスのスタイル。
各イニング終了後には、観客参加型のミニイベントや抽選会が行われる。

毎試合恒例の「ハイボールタイム」では、1杯200円の特別価格でハイボールを購入できる嬉しいチャンスも。

この日のイベントのパン食い競争の景品には、「エースワン」の惣菜セットや商品券など、地元密着のアイテムが多数。
試合と同じくらい盛り上がる、もう一つの楽しみ方だ。

後半｜ビール片手に、夜が深まる

試合が進むにつれ、グラウンドの熱気はさらに高まる。
私設応援団の声にも熱がこもる。

「ナイスプレー！よく守ったぞー！そのプレーが攻撃に繋がるぞー！」
「大丈夫！大丈夫！ミスを恐れるなー！次で取り返すぞー！」

高知ファイティングドックスファンの特徴なのか常にポジティブな声かけが多く、まるで自分まで励まされたかのような気持ちになる。

座って観るもよし、立ち上がって応援するもよし。
飲んで、食べて、声援を送る 。そんな自由な楽しみ方がここにはある。

飲み放題のラストオーダーまで、来場者はそれぞれのスタイルでナイターを満喫していた。

試合結果は残念ながら敗戦だったが、過ごした時間の充実度に変わりはない。
路面電車に急げば間に合いそうだが、2軒目を求めて足はゆっくりと繁華街へ向かっていった。

武政球団社長が語る、球場の未来と挑戦

試合終了後、高知ファイティングドッグスの球団社長・武政重和氏に話を聞いた。

「チームは今年で21年目。これまで多くの有名選手が在籍してくれたおかげで、認知度は着実に高まってきました。
そうした方々をきっかけに来場してくださった方に、もう一度足を運んでもらうためには、“観戦以外の楽しみ”も必要です。
飲み放題プランやBBQ観戦席、生ビール99円デーやハッピーアワーなど、仕事帰りでも気軽に立ち寄れる球場作りを進めています」

また、現在阪神タイガースで活躍中の石井大智選手も、ファイティングドッグス出身。
「リーグ全体にも有望な選手が多く在籍しています。高いレベルのプレーを通じて、野球ファンにも満足してもらえる場所にしたい。
その二軸を大切にしながら、これからも地域に愛される球団を目指します」

小学生以下は入場料無料。プレゼントがもらえるスタンプラリーも開催中。

後期リーグに向けても、新たな施策を準備中とのこと。
「1試合1試合が、新しいファンを増やすチャンス。ぜひ一度、スタンドに来て体感してください」

アフター5は、球場へ

野球場で楽しむ、ビアガーデンスタイル。
居酒屋やバーでは味わえない“開放感”。
ビールと惣菜、ナイターの熱気と、地元ならではのあたたかさ。
仕事終わりの1杯を、あなたも球場で始めてみませんか？