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高知で祝う虎のV! 藤川球児監督 凱旋パレードレポート

高知で祝う虎のV! 藤川球児監督 凱旋パレードレポート

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2025年9月、阪神タイガースが2年ぶり7度目となるセ・リーグ制覇を達成。そしてその喜びのバトンは、指揮官・藤川球児監督の故郷・高知へと渡されました。

11月10日、高知市の中心街・帯屋町で行われた「高知県阪神タイガース優勝記念パレード」。
藤川監督をはじめ、石井大智投手など高知にゆかりのあるメンバーが、二階建てのオープンバスで笑顔を振りまきながら登場。

 帯屋町のアーケードには阪神カラーの黄色と黒があふれ、平日にもかかわらず、県内全域から多くの県民が駆けつけ、沿道は大賑わい。

他県から訪れた阪神ファンの姿も多く見られ、帯屋町アーケード内は一面、黄色と黒に染まりました。

パレードの概要

パレードが行われたのは、11月10日(月)の午後。
高知大丸前をスタートし、帯屋町一丁目・二丁目商店街を抜けて、ひろめ市場前でゴールする約500メートルのルートでした。

バスの進行方向を見渡すと、アーケードの奥までびっしりと人、人、人。高知県阪神タイガース優勝記念パレード実行委員会の発表によると、沿道には約1万3,000人ものファンが詰めかけたといいます。

パレードに先立ち、会場内の特設ステージでは「高知県スポーツ顕彰(高知県プロスポーツ優秀賞)」の表彰式が行われました。
この顕彰は、スポーツを通じて県民に夢と感動を与えた人物を称えるもの。
今回は、阪神タイガースの藤川球児監督と石井大智投手の2名が受賞しました。

表彰式では、濵田省司高知県知事から記念の表彰状と花束が手渡され、
藤川監督は感極まった様子で目には涙を浮かべるも、「今から皆さんの前をパレードをします。恩返し、縁を感じながら今後も頑張っていきます」とあいさつ。

「阪神タイガースがあることで皆さんの人生が明るく照らされるような、またそういった2026年にしてまいりたいと思います」と語りかけました。

高知ファイティングドッグス出身の石井選手は、「高知出身ではないんですけれども、高知ファイティングドックスで3年間プレーさせていただき、高知の素晴らしい環境と、高知県民の温かく優しい県民性にすごく助けられ、ここまで成長することができました」と話しました。

 会場からは温かな拍手が送られ、表彰の締めくくりには、両者の名前を呼ぶ「球児―!」「石井―!」の声が沸き起こり、会場の空気が一気に“祝福のムード”へ。

さあ、まもなくパレードが始まります!

ー沿道のファンの声ー

高知のフクハラさん
「優勝してくれて凄く嬉しかったです。早く見たいです。未来の阪神の選手になりたいので、藤川監督に伝えたいです!」

高松市からお越しの アライさんご夫婦
推しは大山選手(夫)と、中野選手(妻)。
「40年来のファンで有給をとってきました。優勝ありがとうございました。来年は日本一をぜひお願いします!」

(左から)ヤスタカさん、ヤマモトさん、ヨコヤマさんの大学生3人組
「勉強のモチベーションになってて感謝。推しは佐藤選手」(ヤスタカさん)
「来季もがんばれ!目指すは晴れ!今朝丸選手が推しです」(ヤマモトさん)
「感動をありがとう!パレード楽しみです! 推しは大山選手」(ヨコヤマさん)

高知に縁のある選手・関係者

今回のパレードの主役の一人は地元・高知出身の藤川球児監督。
高知商業高校時代から数々の伝説を残し、阪神やメジャーリーグで輝かしいキャリアを築いた“火の玉ストレート”の男です。
「高知の人たちに恩返しがしたい」その言葉どおり、監督としてチームを優勝へ導き、凱旋の舞台に立ちました。

もう一人の主役は、石井大智投手。
かつて四国アイランドリーグ・高知ファイティングドッグスで腕を磨き、今シーズンは“50試合連続無失点”という日本プロ野球史に残る偉業を達成。
まさに「高知が育てたスター」として故郷に錦を飾りました。

さらに、同じく高知ファイティングドッグス在籍経験のあるラファエル・ドリス投手や、高知商業高校から高知ファイティングドッグスを経た嶋村麟士朗選手も参加。
藤川監督のもとで戦う選手の姿に地元ファンからは誇らしげな拍手が送られました。

パレードには江本孟紀さんや中西清起さんといった高知出身OBも顔を見せ、“オール高知タイガースデー”にふさわしい顔ぶれがそろいました。

パレードの様子・観戦者の声

開始1時間前から、すでに帯屋町アーケードは人でいっぱい。

スポーツ顕彰授与式を終えた藤川監督らがオープンバスに乗り込み、パレードがスタート。
商店街の店舗の前では、熱心なファンが手作りの横断幕を掲げ、子どもたちは手にした小旗を一生懸命振っていました。

オープンバスの上では、藤川監督が笑顔で手を振り、石井投手が帽子を掲げて応える。
ドリス投手はファンの歓声に笑顔で応え、「すごく興奮しました。2年間高知でやってきて、皆さんの前でいい報告ができた。(高知は)本当にドミニカ(共和国)の家に帰る時と同じような気持ちです」と後に答えてくれました。

お年寄りは折りたたみ椅子を持参し、子どもたちは肩車で「藤川さ〜ん!」と声を張り上げる。

アーケードの中を進むバス。

藤川監督が手を振るたびに「ありがとう!」「おかえりなさい!」の声が飛び交い、
見ている誰もが笑顔になっていました。

約30分間のパレードは、祝福と感謝の空気に包まれながら進行。
バス上から選手たちがファンに手を振り、ファンも声援で応える。そのエネルギーのラリーは、まるで甲子園のスタンドのようでした。

ひろめ市場の前では、観光客がスマートフォンを構え、歓声とシャッター音が交錯しました。

ー沿道のファンー

小学生の頃からの阪神ファン。イシモトさん
「高知出身の藤川さんが監督になって期待していました。間近で見れることは少ないので、大ファンの前川選手に会えて嬉しかったです。前川選手!信じているので来年は首位打者をとる活躍で優勝に導いてください!」

津野町からお越しの少年野球仲間、シモモトさん、タカハシさんご家族
「石井選手やドリス選手が来るので皆んなで楽しみにして来ました。来年こそは日本一になってほしい」ガアラさん 
「テレビで見てる憧れの選手がいて、人も多くて凄かったです」ミカサさん、ヒブリさん

藤川監督・石井投手インタビュー

パレード後、藤川監督と石井投手が報道陣の囲み取材に応じ、それぞれ故郷・高知への思いを語りました。

藤川監督は、少し照れたように笑顔を見せながら、こう話しました。

「石井もそうですけれど、僕も高知県というのは、疲れた自分の羽根を休め、また新しく復活させてくれるところなんですね。それが高知県であり、高知ファイティングドッグスでありというところで。それは石井もドリスも嶋村も同じだと思います。やっぱり野球があってよかったなというところを感じました。子どもの時に(高知県で)生まれて、あのアーケードの中で遊んでいた自分が今度は恩返しができるようになったと、45歳でね。これはもう本当に感慨深いものがありましたね」

高知への思いを語った後、

「県民の皆さまにぜひ、阪神タイガースがつないでくれた縁、野球がつないでくれてる縁というものを今日また感じていただいて、この縁をずっと残していってもらいたいなという、そんな思いですね」とメッセージを残してくれました。

一方、石井投手は現状に満足せずに、「想像よりも多くの皆さんが集まってくれた。これからの力にもなるし、なおのこと日本一を取れなかった悔しさがにじみます。日本一になったら、もっともっと喜んでもらえると思う。来季リーグ優勝と日本一奪還を目指し、チームの力になれるよう頑張っていきたい」
と意気込みを語りました。

高知×阪神―地域がひとつになる日

藤川監督が率いる阪神タイガースは、秋季キャンプ地としても長年高知県と深い関わりを持ってきました。

今回のパレードは、そんな“キャンプの地”から“監督の故郷”へと舞台を移し、県全体で喜びを共有する一日となりました。沿道の人たちはもちろん、各関係スタッフやボランティア、県内外から駆けつけたファンまで、笑顔が絶えない光景。

「阪神タイガースの選手が高知のアーケードを通るなんて、こんな日がきてくれて嬉しい!」という声も聞かれ、スポーツが街を元気にする力を、誰もが実感した瞬間でした。

まとめ

藤川球児監督の笑顔、石井大智投手の感謝の言葉、そして高知の人々の温かな拍手。
その全部が混ざり合って生まれたこの日の光景は、まさに“スポーツが人と街をつなぐ瞬間”そのものでした。
高知が生んだヒーローが、故郷に勝利を届けた日。見上げたオープンバスの上の笑顔が、きっと多くの人の心に長く残ることでしょう。

そしてこの日が、「高知×スポーツ」の新しい物語のひとつになる。そんな予感さえ感じさせる、最高の一日でした。

表彰式のあいさつで、「何から話そうか・・・」発した後にこみ上げた想い。声を詰まらせ、飲み込んだ言葉。次は、日本一の監督として、県民の前で声に出してくれる日を楽しみにしています!

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