
プロ選手と夢の時間!広島サンダーズによるバレーボール教室 in 高知
2025年6月21日、高知県立県民体育館の主競技場に、県内の小中学生94名が集結。プロバレーボールチーム「広島サンダーズ」の選手4名を迎えたバレーボール教室が開催されました。

これは、高知県が実施する「スポーツ交流事業」の一環であり、トップアスリートとの直接交流を通じて、子どもたちの競技力や意欲の向上を目的としたもの。教室の参加枠100名に迫る申込みがあり、会場は活気と期待に満ちあふれていました。
目次
本物の技術とふれあう体験

今回指導にあたったのは、広島サンダーズの井上慎一朗選手、武智洸史選手、坂下純也選手、阿部大樹選手の4名。県内の小中学生を対象に、実践的で充実した教室が展開されました。
開会式と選手紹介のあと、進行は選手たちにバトンタッチ。小学生と中学生にグループを分け、それぞれ2名ずつの選手が担当する形でプログラムが進行しました。


まず行われたのは、ボールを使ったレクリエーション。バレーボールに必要な身体の使い方を、遊びの中で自然に学べる工夫が盛り込まれており、子どもたちは笑顔で体を動かしていました。


続いてはトス、スパイク、レシーブといったバレーボールの基礎的な技術の指導。プロ選手が実演を交えながら解説し、子どもたち一人ひとりに声をかける場面も。目を輝かせながら技術を吸収しようとする姿が印象的でした。

中学生チームは、広島サンダーズの選手とサポートチームの混合メンバーによる実戦形式のミニゲームに挑戦。プロのプレーを間近に体感しながら、実践の中で学びを深めました。

一方、小学生チームは、選手たちが放つスパイクをレシーブする対人練習。思い切り打ち込まれるボールに臆することなくチャレンジする姿が会場を沸かせました。
選手と過ごす、もうひとつの時間

教室後半には、参加者から広島サンダーズの選手への質問タイムが設けられました。憧れの選手に直接質問できる貴重な機会に、子どもたちからは「普段の練習で大事にしていることは?」「試合前に緊張しない方法は?」など、真剣な質問が次々と寄せられました。


その後の技術披露では、プロ選手たちがウォーミングアップや2対2のミニゲームを披露。正確かつ力強いプレーの連続に、会場からは大きな拍手と歓声が送られました。

また、実際にプロの選手のレシーブを受けてみる貴重な機会も。
「逃げないで!ボールをよく見て!」最初は怖がっていた参加者も、皆の励ましによって一歩踏み出し、勇気を持ってボールに向かっていく姿が見られました。

さらにサイン会や記念撮影も行われ、教室を締めくくる閉会式まで、選手と子どもたちの交流は温かく、和やかな雰囲気で進みました。
スポーツ交流を通じて、未来を育てる
本教室は、トップアスリートのプレーを身近に見る機会が少ない高知県の競技環境において、県内の競技者や学生がトップレベルの技術に触れられるよう、高知県が積極的に進めている「スポーツ交流事業」の一環で開催されました。2024年度には、青山学院大学陸上部によるランニングセミナーや、花園近鉄ライナーズによるラグビークリニックも開催されており、2025年度も様々な取組が予定されています。
参加者の声
プロ選手から直接指導を受けた子どもたちは、練習中も終始笑顔で、真剣なまなざしを見せていました。
今回は、教室に参加した中学生と小学生の数名にお話を伺い、印象に残ったことや今後の目標について語ってもらいました。
高知県安芸市を拠点とするエスペランサ安芸に所属する中学生のお二人に感想を伺いました。

山本くん(写真右)「初めてプロの選手を見て背の高さに驚いたのと、各ポジションのボールの繋ぎがスムーズで流石だなと思いました。知らなかった技術をいろいろ学べたので、これからは習った技術を活かして点をとっていきたい」。
野崎くん(写真右)「プロのセッターの選手にオーバーのトスのコツを直接質問できて嬉しかった。自分もいいトスを上げていけるようになりたい」。
高須ジュニアバレーボールチームと十市小学校バレーボールクラブの合同チームから参加の小学生にもお話を伺いました。

みおうさん「広島サンダースの選手の教え方が上手でためになった。全国大会に出場するために今日習ったことを活かしたい」。
じゅりさん「今までやったことのないバレーボールの練習を皆で笑いながらできて楽しかったです。個人的には今日習ったことを練習してレシーブが上手くなりたい」。
さらさん「プロの選手と一緒なのでめちゃくちゃ練習になる。基礎練習が楽しかった。今日のことを参考にして練習を続けてストレートのスパイクが打てるようになりたい」。
ふみなさん「レシーブのコツやとり方を教えてもらって、ちょっと上手くなった気がする。全国大会で勝ちたいです」。
子どもたちの言葉からは、プロ選手との貴重なふれあいや学びの体験が、それぞれの自信とこれからの目標につながっていることが伝わってきました。
選手からのメッセージ
バレーボール教室の終了後、井上慎一朗選手と武智洸史選手に、今回の教室を終えての感想や、全国で頑張るバレーボールキッズへのメッセージを伺いました。
未来のプレーヤーたちに向けた、プロ選手ならではの力強い言葉をご紹介します。

武智洸史選手(8番 愛媛県松山市出身)
「高知の子供達はすごく元気が良くて、僕たちもやりやすかったですし、一緒にバレーボールの楽しさを共有できたことは僕たちにとっても良かったです。本当に来てよかったなと思います。
バレーボールというスポーツは、チーム競技で一人じゃできないスポーツです。すごく魅力のあるスポーツだと思うので、今バレーをやっている子供達には、とにかくバレーボールを楽しんで好きでいてもらえたらなと思います。」
井上慎一朗選手(5番 香川県高松市出身)
「現在は、広島県内や中国地方を主にして、僕たちはバレー教室というのは多くやってるんですけど、自分の経験を思い返してみても、小学校とか中学校という小さい時にプロの選手だったり、トップレベルの選手のプレーを間近で見るというのはやっぱり刺激になりました。そういう経験がきっかけで、バレーじゃなくてもスポーツを好きになったり、こういうプレーしてみたいなって思ってもらえることが、僕たちにとってはすごく嬉しいことなので、そういう思いを持って、こういった教室をやっています。
個人としては、今現在、四国出身のバレーボールリーグの選手が少ないので、その中で僕もしっかり活躍して、もっと四国のバレーボールを盛り上げていけたらいいなと思っています。」
おわりに
プロの技術にふれ、直接指導を受けたことで、子どもたちは大きな刺激と目標を得たことでしょう。広島サンダーズの選手たちの熱意ある指導と、地元の高校・大学チームによる温かなサポートによって実現したこの教室。未来のトッププレーヤーがこの高知の地から羽ばたいていく、そんな可能性を感じさせる一日となりました。
当日の様子は公式YouTubeでご確認いただけます。
今後も、高知県による「スポーツ交流事業」を通じて、こうした機会がさらに広がっていくことを期待しています。