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アクティビティを始める前に知っておくこと、気をつけること

アクティビティを始める前に知っておくこと、気をつけること

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自然豊かな環境を生かした特別な体験ができる場所、高知県。フィールドを生かした高知ならではのスポーツ・アクティビティを楽しみに多くの方が訪れています。楽しさのあまり夢中になってしまい思わずケガをしてしまったり、普段とは異なる気候や環境で身体の異変に気づかず体調を崩してしまえばせっかくの体験がだいなしです。

そんな事態を避けてアクティビティ体験を素敵な思い出にするために、高知の気候、ケガや熱中症の予防と対策についてお伝えします。

はじめに

高知県は年間を通して日差しが強く日照時間は全国でもトップクラスです。しかしながら雨天時はスコールのように一気に降る傾向があり、夏季は高温多湿のため蒸し暑さもあります。
涼しい気候でも強い日差しを浴びていたり、にじみ出る汗で思いがけず多くの水分が失われていると水分補給が不足がちで熱中症のリスクが高まります。また自然環境を生かしたアクティビティのフィールドも多く、足場が悪いところでは捻挫や転倒によるケガ、水辺では少しの油断が大きな水難事故に繋がる可能性もあります。

ただしこれらは事前に対策を行うことで全て予防できます。対策や予防、もしものときの応急処置についてもしっかりチェックしておきましょう。

アクティビティを始める前に

Jリーグ屈指の強豪「川崎フロンターレ」でフィジカルコーチを務める篠田洋介さんに、高知県で様々なアクティビティを体験する方向けにアドバイスをいただきました。

「スポーツを始める前に知っておくこと」はこちら

まず、高知県といえば自然豊かな環境がたくさんあり、その自然を活かしたスポーツアクティビティをたくさん楽しむことができます。このスポーツアクティビティを体験する前に、知っておくべきことや気をつけておくべきことなど、どんなことが考えられるでしょうか。

篠田さん:そうですね、アクティビティの種目や内容にもよりますが、

  1. 体験する場所や施設の情報を事前にきちんと調べておく 
  2. 体調を整えておく(十分な睡眠、食事を取る、体調不良や飲酒した状態で参加しないこと) 
  3. 天候に十分配慮すること、無理をしないこと 
  4. 施設のルール、インストラクターの指示、法令等は必ず守り従うこと 
  5. 体験前にストレッチをすること

大まかにはこのような内容でしょうか。

体験する場所や施設の情報を事前にきちんと調べておくこと

体験するにあたり、持参すべきもの、万が一に備えた緊急時体制など、可能な限り調べておくことをおすすめします。特に、施設や運営会社が提供するアクティビティ体験プログラムに参加するならば大きな問題にはなりませんが、海や川、山において個人で自由に遊ぶ場合、その場所が禁止区域でなく本当に遊んで良いのか、携帯電話の電波が入るのか、近くに病院はあるのか、一番近いガソリンスタンドはどこかなど、事前に調べておくべきです。

体調を整えておく(十分な睡眠、食事を取る、体調不良や飲酒した状態で参加しないこと)

自然を活かしたアクティビティを体験する際、自然が相手となるので、川の流れや海の波、山の高低差など、非常に体力を使うことが予想されます。前日から十分な睡眠や食事の摂取が必要です。また、季節によっては脱水症状に陥る可能性もあるので、十分な水分摂取も必要になってきます。また、旅行の中でアクティビティ体験をしたり、グループで体験する際は、少々の体調不良でも参加してしまったり、BBQや飲食後に飲酒した状態もしくは満腹の状態で参加しようとするケースもあるようですが、正確な判断や咄嗟の反応・行動ができない可能性があるので、絶対に止めるようにしましょう。

天候に十分配慮すること、無理をしないこと

当日の天候や気温によりリスクとなる場合があります。特に山間や海辺など天候が急変することも多いので、体験中は天候も注意深く気にする必要があります。安全を最優先とし判断するようにしてください。また、例えば前日に大雨があったりすると川の流れや水量が変わりますので、前日までの天候も必ず確認しておきましょう。施設や運営会社の指示には必ず従い、個人で遊ぶ場合でも、絶対に無理をしないことを強くお勧めします。

施設のルール、インストラクターの指示、法令等は必ず守り従うこと

当たり前の話ですが、最大限楽しむためにルールや指示、そして法令があります。道具を正確に使うこと、救命胴衣等は正確に着用すること、緊急時における行動の確認など、必ず守るようにしてください。毎年、禁止区域での遊泳等で事故も起きていますので、法令を遵守した上で最大限楽しむようにしてください。

体験前に必ずストレッチすること

急な運動はケガの元となります。ラジオ体操でも良いですし、簡単なものでも構わないので体操やストレッチを行い、筋肉や神経系統を起こしておくとケガ防止につながります。体験前に行う効果的なストレッチのポイントは「反動をつけて行うこと」です。多少大げさな動きになっても良いので、動きや反動をつけてストレッチを行うことで、筋肉が起きるとともに、その筋肉と脳をつなぐ神経系統も起きて準備が整うので非常に効果的です。「いち、に、さん、」のリズムに合わせ、反動をつけながらストレッチをしてみてください。

ケガをしてしまったら

応急処置について普段の現場で心がけていること、また、ケガや事故に遭遇した際の対処法などについてお伺いしました。

篠田さん:ケガの状況や度合いによって対処は異なってきますが、以下を心がけてみてください。

  1. ケガや事故に遭遇(もしくは目撃)したら、まずは自分自身の安全を確保する(二次被害の防止) 
  2. ケガ人の状況を把握し、可能な限り周囲に応援を求める(自分一人で対処しない) 
  3. 応援者がいたら、救急車や警察への通報や処置など、役割を分担する 
  4. 救急隊員の指示に従い行動する 
  5. ケガに対する基本的な応急処置「RICE」
    R:Rest(安静)
    I:Ice、Icing(冷やす)
    C:Compression(圧迫)
    E:Elevation(患部の挙上)

※応急手当に関する情報は以下からもご確認いただけます。万が一のためにもぜひご覧ください。

◯政府広報オンライン
「いざというときのために 応急手当の知識と技術を身につけておきましょう」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/200801/1.html

◯消防庁
「一般市民向け 応急手当WEB講習」
https://www.fdma.go.jp/relocation/kyukyukikaku/oukyu/index.html#

◯日本サッカー協会
「メディカル」
https://www.jfa.jp/medical/

上記リンクではケガの予防と対応、暑熱対策と水分補給、救急救命など、多岐に渡って参考になる情報が出ています。

ここまでが、フィジカルトレーニングのスペシャリスト篠田洋介さんによるアドバイスです。

熱中症の対策

ここからは、高知の環境ならではの注意点についてお伝えします。


体調管理やインストラクターの指示を守って楽しんでいても起こり得るのが熱中症です。川や海などで行うリバーアクティビティやマリンアクティビティでは、水辺で過ごすため一見涼しいようですが、炎天下の状況が多いために熱中症のリスクに備える必要があります。
通気性のよい帽子を被って頭部への直射日光を遮ることや、熱を集めにくく、通気性のよい素材でつくられた薄手の上着を水着の上などから羽織ることで、日光による肌からの熱の吸収を防ぐことも予防になります。
また設置が可能な場所であれば、近くにタープやテントなどを建てて日陰をつくり、定期的に休憩して水分補給をこまめに行うことも大切です。

熱中症になってしまったら

お子さんや大人でも自覚症状がない場合は熱中症に気づかない場合があります。

下記の症状がでたら熱中症を疑いましょう。

めまい、筋肉痛、筋肉の硬直、大量の発汗

これらはアクティビティの運動によるものなのか見分けが難しいですが、少しでも違和感を覚えたら無理をせずに日陰で風通しの良い場所などに移動して充分な休憩をとってください。その際は、汗などで濡れた服は脱衣して水分と塩分をしっかりと補給してください。特にお子さんの場合は一人にせず様態の急変に備えて大人の方が側にいて様子を見守ってあげてください。

気がついたときには重度の症状になっていることもあるのが熱中症です。

頭痛、吐き気、極度の倦怠感、嘔吐

上記を感じたら直ちに屋内などの涼しい場所で休憩をして脱衣の上で水分と塩分を補給をします。症状が治まらず虚脱を伴う場合は、至急最寄りの病院で診察を受けてください。

意識障害、痙攣、高熱

これらの場合は直ちに119番に連絡して救急要請を行い、指示に従って救急車の到着を待ってください。

この他、

【厚生労働省】
熱中症予防対リーフレット(PDFリンク

【高知県】
災害時の傷病を想定し南海トラフ地震にも備えた応急処置リーフレット(PDFリンク

が出ていますのでこちらも参考にしてみてください。

旅行先では楽しさからつい自信の体調変化を見逃しがちですが、けっして無理をせず安心安全に高知でのアクティビティを楽しんでください。

虫から身を守る

次に、特に夏場でのアウトドアアクティビティには欠かせない虫除け対策にも触れておきます。

草むらや森に生息する蚊を始め、リバーアクティビティを楽しむ水辺ではブヨやアブ、キャンプやトレッキングなどでのアウトドア、マウンテンアクティビティでは毛虫、時には蜂などにも注意が必要です。

血を吸う蚊やアブ、ブヨなどは体温の高い子供や、汗や二酸化炭素などに寄ってくると言われています。
対策として最も大切なのは服装です。蚊が活発に活動する朝夕には夏場でもなるべく長袖長ズボンなどで肌の露出を控え、足元もサンダルなどではなく靴とソックスを履くなど肌の露出を控えることが予防に繋がります。汗はこまめに拭いて顔や体はもちろん足の指の間の汗などもしっかりと拭き取ることが大切。その上で蚊取り線香や虫除けスプレーなどの市販の虫よけグッズを併用することが効果的な予防方法です。

蜂に関しては、蜂を見かけても激しく追い払ったりパニックになったりせずに慌てないこと。蜂の巣などには近づかないようにして蜂を刺激しないことが大切です。服装に関しては黒い服を天敵の熊などの動物と勘違いして襲ってくる傾向があるため、黒や紺色暗い色の服を避けるなど色にも注意しましょう。

虫に刺されてしまったら

蚊、アブやブヨに噛まれた時は患部を摘んだりしごいたりして虫の唾液や毒をできるだけ取り除くようにきれいに洗いながしてください。そのあとは患部を冷やしてかゆみ止めを塗って腫れやかゆみの対処を行いましょう。

蜂の毒は水に溶けやすいので、刺された場合は直ちにしっかりと水で洗い流して応急処置を行い、痛みが引かない場合は病院での診察を受けてください。気をつけなければいけないのがアナフィラキシーショックで、命に関わるケースもありますので、異変を感じたら直ちに救急車の要請を行ってください。

文責:(一社)高知県スポーツコミッション

さいごに

高知県は自然に恵まれ、海・川・山など自然を活かしたアクティビティがたくさん体験できます。ケガや事故なく楽しんでいただくためにも、今回ご紹介した「知っておくこと・気をつけること」を心がけていただき、熱中症などの備えを万全にして、心ゆくまで楽しんでください!