投稿日 : 2023.08.25
「花園近鉄ライナーズ」高知合宿。自然とグルメを楽しんだ、選手たちの休日
「ジャパンラグビーリーグワン」に所属する「花園近鉄ライナーズ」が、令和5年7月24日(月)から28日(金)まで、高知県で強化合宿を実施しました。今回は、7月26日(水)のリカバリーデイに密着。ネイチャーアクティビティやバーベキューを楽しんだ様子や、小学〜高校生を対象に開かれたラグビースクールについてレポートします。
目次
はじめに
花園近鉄ライナーズは令和5年、高知県で初めて強化合宿を行いました。同チームは東大阪市をホームとする名門で、令和5年12月上旬に開幕予定の「NTTジャパンラグビーリーグワン2023-24」では、前年に続き、1部にあたるディビジョン1に所属し、日本トップクラスのチームとの熱戦が期待されています。
花園近鉄ライナーズについてはこちらでも紹介しています。
選手・スタッフ一行は7月24日に高知入りし、高知市にある「高知県立春野総合運動公園」の球技場で強化練習を実施しました。
仁淀川でネイチャーアクティビティ&バーベキュー
取材班が訪れたのは、7月26日のリカバリーデイ。この日は練習がお休みで、一行は高知市から15kmほどの所にある「波川公園」へ向かいました。
波川公園は、奇跡の清流として知られる仁淀川沿いにあります。川遊びはもちろん、広い河原ではバーベキューやデイキャンプも楽しめ、夏には多くの家族連れで賑わいます。
到着後、河原に下りた選手たちは、チームビルディングの一環として、川でのアクティビティを楽しみました。最初に行われたのは、ラグビーボールを使った「ハイパントキャッチゲーム」です。
このゲームには、「ZAB(ザブ)」というアクティビティが使われました。ZABはその名の通り「座布団」のような形で、水の上を「ザブザブ」進んでいく、SUPとカヌーを融合させたもの。協力してくださった地元のアクティビティ専門店「有機高揚」さんのオリジナルアクティビティです。
ゲームでは川に浮かべたZABに選手たちが乗り、河原からキックしたボールをいかに多くキャッチできるか、5チームに分かれて競い合いました。
早速河原にいる選手たちは、仲間に向かってボールをキックしますが、水面の選手たちはなかなか思うようにキャッチできません。ボールを取れず川の中にダイナミックに落ちた時には、拍手喝采!「ムズイー!」と叫んでわざと?(笑)川に飛び込む選手もたくさんいて、皆さん思い思いに夏の仁淀川を満喫していました。
続いて行われたのは、SUPとZABを使ったレースです。「レッツゴー!」の合図で、それぞれがSAPまたはZABを漕いで川を横切り、Uターンして次の選手へバトンタッチ。体幹を鍛えているラガーマンにとっては、川の流れなんてなんのその。時には「流されてるよー!」と声がかかるチームもありますが、どんどん前進します。
こうして熱戦が繰り広げられ、チーム1の高身長で、日本代表にも選出されたことのあるサナイラ・ワクァ選手率いるチームが見事1位を獲得しました!
アクティビティの後は河原にあるバーベキュー会場に移動・・・のはずが、ワクァ選手はまだ川の中!「気持ちいい〜。ずっと入っていたいね。楽しかった!」。この日はかなり気温が高く、水温も比較的高め。青空の下でのんびり川で遊び、高知の大自然を満喫した選手たちです。
川遊びの後は、バーベキュータイム。波川公園には、心地よい風が吹き抜ける広い木陰があり、暑い夏でも日差しを気にせず、バーベキューが楽しめます。ここで選手の皆さんが堪能したのは、高知県でしか生産されていない貴重な肉牛「土佐あかうし」です。
土佐あかうしは、旨みのある赤身と、程よい霜降りが特徴です。頬張った選手の皆さんも「めっちゃうまい!」「バリうまい!」と箸が進んでいました。
そして「土佐あかうし」と並んで選手たちを虜にしたのが、カツオのわら焼きタタキです。この日は川の近くにあるみやもと鮮魚店のオーナーが、なんと24kgものカツオを用意!熟練の大将が、新鮮・捌きたてのカツオを次々にわらで焼いていきます。そして厚切りにして大皿に盛り付けると、選手たちは焼きたてのカツオを頬張ります。「本場は違いますね!」「うますぎるー!本当はカツオ嫌いだったんですけど、これはめっちゃうまいっす。えぐいっす!」。選手たちの食べっぷりはさすがです。
こうしててんこ盛りの土佐あかうしとカツオのお皿は、あっという間に空っぽ。「おいしかったです!」と、高知のグルメでエネルギーチャージができた様子。高知のおいしいものが選手たちのパワーの源になったと思うと、取材班も地元民を代表してなんだかうれしくなりました。
施設紹介
選手たちが体験した仁淀川のアクティビティなどについて紹介します。
まずは、ZAB・SUPなど川遊びが楽しめるアクティビティ専門店「有機高揚」。代表の宮下 裕貴さんは長野県出身で、地元の天竜川や四国の吉野川など、さまざまな川でラフティングガイドを経験したのち、仁淀川でZABを開発しました。「子どもも大人も仁淀川を楽しんでほしい」と、経験を活かしたサポートをしています。
有機高揚(アクティビティ専門店)
住所/高知県高岡郡越知町鎌井田本村852-2
電話番号/070-1047-0248
https://www.yukikoyo.com/
みやもと鮮魚店は、大将が厳選した鮮度抜群の魚を揃える、いの町の人気店。店内にはイートインスペースを併設しており、その場で捌いた新鮮なお刺し身を定食や単品で味わうことができます。(定食をご希望の方は、電話にて事前のご確認をおすすめいたします。)
みやもと鮮魚店
住所/高知県吾川郡いの町3042
電話番号/088-892-0161
続いては波川公園。仁淀川初心者ならまずはここ、という人気の場所です。河原は広く、食事処「にこにこ館」やトイレ、大型駐車場も完備。にこにこ館では土佐あかうしバーベキューの食材販売・セット貸し出しをしており、手ぶらでバーベキューが楽しめます。
なお、川は比較的浅いですが、急に深くなっていたり、流れが急になっていたりする部分もあるので、十分注意してください。
波川公園
住所/高知県吾川郡いの町波川
電話番号/088-893-1211(いの町観光協会)
https://www.inofan.jp/spot/recommended/n96/
ラグビースクール
夕方、選手たちは合宿の練習拠点である高知県立春野総合運動公園の球技場に戻りました。ここで開かれたのが、小・中学生・高校生を対象にした「ラグビークリニック」です。
競技場では、高校生の選抜チームであるオール高知少年チーム、高校生、中学生に分かれ、それぞれを花園近鉄ライナーズのコーチや選手が指導しました。
ラグビースクールは2時間にわたりましたが、参加した子どもたちは終始集中しており、あっという間に時間が過ぎました。オール高知少年チームを担当したコーチからは「声を出していこう!」と何度も指導が。それ以外にもボールキャリア、アタックのテクニックなど、花園近鉄ライナーズが実際に行っている実践形式の練習が行われ、高校生たちは真剣な眼差しでコーチのアドバイスに耳を傾けていました。
一方、中学生を担当した選手たちは、子どもをリフトしてラインアウトの練習をしたりゲーム形式でボールをキャッチしたりと和気あいあい。身長2m超えの外国人選手にリフトしてもらった子どもたちは「高いー!」「すげー!」と大興奮。ラグビーを習っている子どもたちにとって、花園近鉄ライナーズの選手やコーチは憧れの存在そのもので、「こんな経験できないです!」と笑顔が弾けていました。
閉会式では、豊田コーチから「今日の学び、気づきを持ち帰ってください。そして国体で良い成績を持って帰ってきてください」とエールが送られました。
また小学生を担当した横井 隼選手からは「暑い中みんな元気で、僕が元気をもらいました。この元気を試合に活かしていきたいです」と言葉をいただきました。また「いずれライナーズに入ってくださいね!」という掛け声に、「はい!」という元気な声が競技場に響きました。
さらに中学生を担当した上山 黎哉選手は「想像以上に元気な子どもたちで、自分もめちゃくちゃエネルギーをもらいました。子どもたちと触れ合えて良かったです。中学生の中には何人も上手な子がいて、ぜひ将来ライナーズに来てもらいたいですね」と話してくれました。
ラグビークリニックの後、参加したジュニアにもインタビュー。
まずはオール高知少年チーム、高知工業高校3年生の立花 穗太さん。
「初めてプロに会い、体の大きさに圧倒されて鳥肌が立ちました。そして練習を通して、ああいうふうになりたいという目標ができました。来年からは大学でラグビーに取り組みます。ライナーズの選手みたいになりたいという明確な目標ができたので、それに向かって頑張っていきたいです」
続いては中学生の栁 隼十さん、安岡 伸晃さん、三浦 蒼平さん。
「めちゃくちゃ楽しかったです。貴重な経験ができました。もっとトレーニングを頑張ろうと思いました」 。
「リフトしてもらって怖かったけど、すごく楽しかったです。高校でもラグビーを続けていきたいです」 。
「やっぱりプロは体の大きさが違いました。壁みたいでした!僕たちも高い目標を持って、切磋琢磨してレベルを上げていきたいです」 。
最後に野中 翔平選手に高知合宿の感想をいただきました。
「素晴らしい環境で練習をさせていただいています。食事もおいしいし、温泉も最高で、充実した合宿になっています。また人が優しいのも、高知の良いところですね。ぜひこれからも高知合宿に来たいです」。
選手の皆さん、スタッフの皆さん、高知合宿お疲れ様でした。ぜひこれからも高知に来てください。そしてラグビーを通して、元気とパワーを日本中に届けていただきたいと思います。これからも高知県民一同、花園近鉄ライナーズを応援しています。