fbpx
SPORTS

SPORTS

スポーツ記事

元阪神タイガースのドリス選手に独占密着!試合当日のルーティーン大公開

元阪神タイガースのドリス選手に独占密着!試合当日のルーティーン大公開

スポーツ観戦

現在「高知ファイティングドッグス」に所属するラファエル ドリス選手は、メジャーリーグや阪神タイガースで活躍したスタープレイヤーです。今回は試合当日のドリス選手に密着。長きにわたり安定したパフォーマンスを発揮する、トップアスリートのフィジカル&メンタルケアに迫ります。

ドリス選手の経歴

ラファエル ドリス選手は、ドミニカ共和国出身の右腕投手です。2004年、16歳の時にシカゴ・カブスと契約してプロ入りし、2011年にメジャーデビュー。その後サンフランシスコ・ジャイアンツ、デトロイト・タイガースを経て、2016年にNPBの阪神タイガースに移籍しました。

ドリス選手の持ち味は、196cmの長身から投げ下ろす速球と、キレのある変化球です。2016年〜2019年の阪神タイガース時代にはその実力をいかんなく発揮し、クローザー “守護神ドリス”として活躍。4年間で208試合に登板し、96セーブを記録しました。中でも記憶に残っているのは2017年。37セーブを上げ、この年の最多セーブ王に輝いています。

阪神退団後は、メジャーリーグに復帰し、トロント・ブルージェイズ、シカゴ・ホワイトソックスでプレー。さらにメキシカンリーグを経て、2024年、四国アイランドリーグPlusの高知ファイティングドックス(FD)に加入しました。

プロ入りから20年、36歳となった今も、ドリス選手のフィジカルは健康そのもの。高知FDでは7月15日現在で16試合に登板し、62人の打者を相手に19三振を奪うなど、ノビのある直球、キレのある変化球は健在。無四球で防御率は1.13と、コントロールの良さも光っています。

試合当日、ドリス選手のルーティーン

取材班が訪れたのは、高知FDのホームである高知球場。この日は18時から、愛媛マンダリンパイレーツ戦が開催されます。

ドリス選手は試合開始の2時間前、16時に会場入り。ちなみにそれまでの家での様子を聞くと…。

「日によっても違うけど、寝るのは2時くらいで、ナイターの日は10時くらいに起きるかな。それから必ず温かいお湯でシャワーを浴びて体をほぐす。そのあとゆっくりコーヒーを飲んだり、ドミニカにいる家族とビデオ通話をしたり。家族との電話が一番のリラックスタイムだね。球場に来たら野球のことしか考えられないから、家ではリラックスして過ごすようにしているよ」。

フィジカル面でのケアは何をしているのですか?

「家では電動マッサージ器を使って筋肉をほぐしていて、自分の体の調子をしっかり見るようにしている。それから下半身のストレッチをしっかりやっているよ」。

ちなみにオフの日は、高知市内のジムに行くこともあるそうです。

17時、ドリス選手はグラウンドでキャッチボールを始めました。
野手と遠投。1球1球振りかぶって投球し、入念に調子をチェックします。

17時50分、控室に戻ってきました。試合は定刻の18時にスタート。このあと1〜4回まで、ドリス選手は控え室で心を整えていました。

ドリス選手が控え室からダックアウトに移動したのは5回表、愛媛マンダリンパイレーツの攻撃中。電動マッサージ器で、肩、腕、足、背中、腰、臀部と、全身の筋肉をほぐしながら、試合の状況を確認します。

その後、シャワーを浴びてからサポーターを付け、着々と出陣体制に入ります。5回裏、高知ファイティングドックスの攻撃に移ってからも、試合の状況を見ながら右腕、肘周りの筋肉をほぐし続けました。さらに手首や手のひらも入念に。

スパイクを履き替えたのは6回表の終了後。顔を洗って気合いを入れ、6回裏、味方の攻撃が終わったあと、ユニフォームに着替えました。

7回表、いよいよドリス選手がブルペンに登場です。
ファンの子どもたちが走り寄ってきて、金網越しにドリス選手に憧れの眼差しを向けます。

ブルペンでは腕を回して体を確認し、ピッチングを意識したストレッチ。さらにダミーボールを使い、指のストレッチも行います。

そのあとキャッチャーを立たせて投球。

少しの休憩を挟み、8回表にはキャッチャーを座らせて30球以上の投球練習を行いました。

8回裏、味方が攻撃に入るとギアチェンジ。30球以上の速球をキャッチャーのミットに納め、3アウトをしっかり見届けると、いざ、マウンドへ向かいます!

観客席からは「ドリスー!」の掛け声が。マウンドで4球ほど投げたあと、9回表がスタートしました!

1球1球投げるたびに響く、ドリス選手の唸り声。気迫が観客席まで伝わります。

この日は味方の落球により出塁を許してしまいましたが、無事に抑え、7-6で高知FDが勝ちました。

仲間から出迎えられてベンチに戻ったドリス選手は、セーブの余韻に浸ることもなく、すぐにベンチ裏に戻り、体のケアを行います。肩、背中、さらに肘と、広い範囲をアイシング。この日のアイシングは10分間ほどでした。

その後、ドリス選手が帰宅の準備を終え、グラウンドの外に出てきたのは22時過ぎ。試合の緊張感から解放され、笑顔を見せてくれます。

お疲れ様でした!今日の投球はいかがでしたか?

「めっちゃ疲れたよ!でも楽しく投げられました。とにかく楽しかったよ!」。

ドリス選手をずっと待ち構えていた女の子にファンサービス。ちなみに女の子は七夕の短冊に「ドリス選手に会いたい」と願い事を書いたほどの熱烈なファンでした!

アスリートとして意識していることとは

試合前後のルーティーンについて、改めて話を聞きました。

投球前のマッサージは習慣ですか?

「もちろん試合中は毎回やっています。そうしないと良い球は投げられないよ。体はどんどん消耗されていくんだ。だから毎日のメンテナンスが必要。車に例えると、エンジンオイルを替えるのと同じだね。家でもマッサージしているし、投げ終わったあとはアイシングをするし、ボディリカバリーをすごく大事にしているよ。若い選手はケアの方法を知らないから、それを教えていきたいね」。

いつも5回くらいから準備に入るのですか?

「クローザーとして、3回くらいまではいつもゆっくりしている。阪神時代は横になっていて、5回くらいに起きて準備体制に入っていたよ」。

ダックアウトから相手チームの選手をチェックしていましたね。

「打者の傾向や弱点を見ている。どんなに小さくても、誰にでも必ず弱点はあるはずなんだ。それを毎回しっかり見るようにしている。投げている時も同じだね。1球1球バッターは立ち位置を変えるし、握りを変える。だからバッターの立つ位置だったり、ハンドワークだったりを観察しているよ」。

個々の選手の得意なところ、弱いところをしっかり見極めているドリス選手。だからこそ、相手チームの打者が待ち構えている球種が分かるし、チームメイトの仲間の調子が悪い時、その理由をロジカルに分析できると言います。威力ある直球や大きく落ちるフォークが注目されがちですが、類まれな観察力と洞察力こそが、ドリス選手の強みと言えそうです。

長く活躍されてきて、体力面はいかがですか?

「やっぱり人間だから、体が悲鳴をあげているよ。常に痛みがあるのが当たり前。股関節、腰、肩、肘・・・どんなにマッサージをしても取れることはないね。でもしっかり考え、良いトレーニングをして体を整えている。それが全試合戦うために大事なことなんだ」。

「どのプロ野球選手も同じだと思うけど、とりわけピッチャーは、投げている時アドレナリンが出ていて、痛みを感じないんだ。興奮状態で投げている感じだね。でも球場をあとにしたらヘトヘトだよ(笑)」。

「僕は2004年に16歳でシカゴ・カブスと契約したけど、その時の仲間を見ると、今日まで野球選手として続けているのは自分しかいないんだ。野球は頭で考えるスポーツだから、自分の体と常に向き合って、考えて体のケアをしている。体のケアとメンタルのケア両方が大事だね」。

ドリス選手の語る野球論、とても奥深い!きっと高知FDのチームメイトにも、多大な影響を与えていることでしょう。最後に聞かせてくださった「野球は頭で考えるスポーツだ」という話や他の選手の声は、ドリス選手密着第二弾でリポート予定です。公開をお楽しみに!

今後のホーム戦のお知らせ

最後に、高知FDの今後のホーム戦の予定をお知らせします。

8月6日(火)18時
愛媛マンダリンパイレーツ戦

9月6日(金)18時
香川オリーブガイナーズ戦

9月11日(水)18時
香川オリーブガイナーズ戦

高知球場(高知市総合運動場)へのアクセスは、高知FDのHPにも掲載されています。ぜひ球場へ足を運び、野球の楽しさを体感してください。

高知球場へのアクセス
https://www.kochi-fd.com/game/stadium/guidance.html